しばらく前に朝日新聞が「太陽光発電の普及・節電定着…猛暑でも電力にゆとり」ができたという記事を出しました。いわゆるピークカット効果です。本当にそうなら良いのですが、この話はそんなに簡単ではなく、もう少し深読みした方が良いと思います。ちょうどこの話題はTwitterでも議論されていたので、それを使いながら検討してみたいと思います。
まず下のようなTWがありました。
これは「東電のピーク対応電源約5,000万kWの構成の中で、地熱・風力・太陽光は2万kWしかないので、とてもピークカットに貢献できない」と読み取れます。が、全国で既に1,700万kWも設置された太陽光発電の内、東電管轄内にたった2万kWというのは妙な気がします。
どうもこの2万kWというのは東電が持っている太陽光発電のことで、東電管轄内に設置されている太陽光発電ではないようです。表の「他社受電」の中に東電所有以外の太陽光発電が含まれているのかもしれませんが、この表からは良く分かりません。東電管轄内にどれだけ太陽光発電が設置・稼働しているか知りたいところですが、はっきりした数値が無いという話もありました。
仕方ないので少し推定してみます。一般的に見て、東電の規模は全国の4分の1から3分の1ぐらいなので、太陽光はそれを少し下回るぐらい(大・中規模太陽光発電は地方に設置されるものが多いので)とみると、400万kWぐらい設置されているのでしょうか。設置条件や日射・熱の影響を考えても、実際の発電力で200万kWぐらいはあるのではと推定できます。
先ほどの表の2万kWよりはずっと大きくなりましたが、それでも東電全体の5,000万kWに比べると、200万kWはまだ小さな値です。全体の4%ぐらいですかね。まぁ、これで現状発電能力の大体の数値が掴めたとしましょう。
2030年に再生可能エネルギーを22%にするのが政府の目標ですから、まだまだ太陽光発電も伸びていくのでしょう。とはいえ現段階を4%と仮定して、朝日新聞が言うように本当にピークカット効果があるのでしょうか。
次回以降、引き続き検討していきたいと思います。
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