この話題を取り上げた昨日、J-CASTでも同じ話題を取り上げていました(猛暑でも電力不足が起きない理由 需要ピーク時、全国で太陽光発電が補う)。J-CASTのニュースでは太陽光発電の設置量が具体的に書かれていたので参考になります。昨日私は、太陽光発電の発電設備全体に占める割合が400万kWぐらいではないかと指摘しましたが、J-CASTによると500万kWほどらしく、私の推定の方が少し小さいですが、それほど間違っていませんでした。ここでは、安全サイドに控えめに見て、太陽光発電の構成を200万kW、4%としておきます。
さて、朝日新聞の記事に対して昨日示した他にもTWがありましたので下に示します。
図が小さくて見にくくなり申し訳ありませんが、新エネ割合は1.6%となっています。新エネはほぼ再生可能エネルギーと見ることができるでしょうが、太陽光発電はそのうちの一部です。そうすると1%ぐらいで思ったより少ないように思いますが、このグラフは2012年までのもので、最近の状況が反映されていません。FITが導入されたのが2012年ですから、このグラフの後から太陽光発電は急激に伸びてくることになります。朝日新聞のピークカット効果は2012年以降に太陽光発電の導入が促進されたことによる効果を議論しているので、このデータを使うのは不適切ですね。
しかし2012年以降に太陽光発電導入が4%まで進んだとしても、やはり発電全体に対する割合は小さく、その程度でピークカットとして効果があるのかという疑問も残るでしょう。
随分昔、80年代頃に同様の議論をしたことがあります。その時に電力系の人に「最大需要に対して4%以上の余裕(予備率)がないと安心して運転できない」と言われました。需給がパンパンになっていると、ちょっとした変動やトラブルで大停電を引き起こす恐れがあるからです。ピークカットでまず要求されるのはこの予備率を確保することです。
予備率確保について、特に真夏の真昼間のエアコン需要が最大になる時が一番苦しいという話も聞きました。そういう背景から、まず需要の4%ぐらいが太陽光発電導入量の良い目標になるなぁという印象を持っていました。従って今回、太陽光が4%ぐらい導入されているのが判り、少し感慨深いものがあります。
しかし世の中そう甘くはありません。上記のピークカット効果は80年代の話で、30年の間に状況は変わりました。エアコンの普及が進み、冬のエアコン需要が大きくなってきました。そうなると、夏の昼間より冬の夜の方が電力需要は大きくなってきます。夜の需要では太陽光発電は歯が立ちません。冬の需要はどうなっているのか知りたいところですが、取りあえず今の需要を調べてみて驚きました。
この需要との関係が一番大切です。次回にその説明をします。
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