採算は取れないでしょうけれど

福島県の葛生村で「メガソーラー+蓄電池+自営線」を使ったマイクログリッドの実証をするようです(福島県葛生村、「メガソーラー+蓄電池+自営線」でマイクログリッド構築)。マイクログリッドというのは発電設備を持つ配電網で、系統と1点でだけ接続し需給の過不足を系統と相補しながら運営していくものです。

福島マイクログリッド

このような、マイクログリッド内で再エネと蓄電池を持つ構成は技術的には理想的なものですけれど、太陽光も蓄電池も今のところ既存電源より高価なので、おまけに自営線まで設置すると、とても投資回収のできるものではありませんね。

 

太陽光発電が2MW、蓄電池が3MWh、これに自営線で約600戸に電力を供給する設備だと何億円もかかるでしょう。葛生村が2200万円、福島電力が2000万円、これに「スマートコミュニティ導入促進事業費補助金」で2500万円準備しているようですが、とても足りません。銀行融資を受けたとしても返済することができるのかなぁ。太陽光発電をFITで全量売電できるならまだ良いのですけれど、マイクログリッド内で自家消費する分まで売電という訳にはいかないでしょう。

 

当局も採算性の悪さには気が付いているようで、他事業者の再エネ事業に対するO&Mサービスや維持管理事業を手掛けて収入を確保するようですけれど、そうすると他の事業でマイクログリッドの赤字を補填することになるのかな? まぁ、特別優遇の融資を確保したり、東北電力から安く電力を確保したり、割高のO&Mサービス事業を提供したりして黒字にするのでしょう。

 

今のコストでは採算は取れないですね。しかし、今後太陽光はもっと安くなるでしょうし、蓄電池も安くなると期待されています。現段階では単に実証事業として、将来に役立つことを期待します。

 

 

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