PN-Netという団体が行った題記のセミナーに行ってきました。PV-NetはFITよりもずっと古くからある市民団体で、主に住宅屋根に太陽光発電を設置している人達の集まりです。「標準化」というのはこういう市民団体向けのセミナーには向かないような気がしますが、PV-Netはこのような専門的な内容のセミナーも積極的に行っていて参考になります。
内容はまず「標準化」についての一般的な説明があった後、太陽光発電での「標準化」の課題について説明がありました。
太陽光発電の標準はIECやJISで定められているようですが、まだ改善の余地があるようです。中でも耐風圧強度の問題が大きく取り上げられていました。問題はだいたい次の2点になると思います。
- ●10kWから50kWの低圧連系発電所の設置が野放図の状況にあること
- ●JISの耐風圧の規定が不十分なこと
上記の内、前者については非常に問題だという指摘にはなっていましたが、このセミナーが主に住宅屋根太陽光のユーザーに向けたものであることからか、或いはこれは規制の問題で「標準化」から話題がずれるからか、それ以上の言及はありませんでした。これはちょっと残念でした。
もう一つのJISの問題については、数式や実例を示して問題点を解説していました。残念ながら私の理解不十分で内容の説明ができませんが、とにかく現状のJISの計算では耐風圧強度が十分に取れないことは判りました。現在、JISの見直しは行われてはいるものの、どうなるか判らないようです。
ここからは私の意見になります。
「標準」については技術的な面と制度的な面の二面に分けて考えた方が良さそうです。太陽光発電の耐風圧強度では、まず技術的な面でJISの規定が不十分だということが判りました。しかし、これを適正に改訂しても制度面での規制が無いと、上記で示した問題の前者のようにほとんど意味を持たなくなります。今後、太陽光発電で規制の強化が行われるかもしれませんが、規制が無くても太陽光発電所のオーナーは標準を守っていくことが望まれるようです。
しかし、強度設計などなかなか理解しにくく、どのように守るのか良く判りません。また、旭化成の杭のように偽装されてしまうとどうしようもありません。標準を守るのはなかなか難しい問題です。オーナーや施工者の善意に頼るしかないのでしょうか。
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