しばらく面倒な話ばかり続きましたので、少し具体的な話をしようと思います。
サーモビュアーによる評価例を紹介します。
とは言え、私もこのような評価を初めたばかりなので、あまりサンプルはありませんが、現在の手持ちで少しネタになりそうなものを二つ。
一つ目は下の写真です。
写真で色の白いところは温度の高いところです。これは裏面に端子ボックスのあるところの温度が少し高くなっていた例です。温度上昇は2-3℃だったので、端子ボックスが加熱したのではなく、端子ボックスがあるところはパネルの熱が逃げにくいため、周りよりも少し温度が高くなっただけだと思います。このパネル以外にも、ほとんど全てのパネルで端子ボックス部分の温度上昇は見られました。どこのサイトでもこのような例は見られるでしょうが、問題ないと思います。
二つ目は次の写真です。
赤外画像と可視光の画像とはどうしてもズレが起こりやすく、この写真も少し像がずれてしまっていますが、画像で白っぽいセルセルがオレンジ色のセル混じっているのがわかると思います。下の特に白いものは4℃ほど、それ以外のものも2℃ほど他のものより高いようでした。
実はこの評価は私が初めてサーモビュアーを使った時のもので、私の発電所で撮ったものです。それほど大した温度上昇ではなかったのでその時は大した問題ではないとその時は思いましたが、今から思うと特に白くなっているところはほとんど発電していない可能性もあると思われます。ここはもう一度行ってIVカーブをとって調べてみる必要があるかと思っています(反省)。
また、温度上昇がそれほど高くなくても、上の写真のようにパネルの中にいくつも温度の高いセルが混じっているのもあまり頂けない話です。本来ならパネル製造では性能の揃った(電流の揃った)セルを選んでいるはずで、性能が揃っていればこのような温度分布は起こらないはずです。下の写真は他の発電所のサーモビュアー画像ですが、上の場合のような色の分布は見られません。
色の分布がみられるのは、それだけ製造段階のチェックが甘いということで品質管理のレベルが疑われます。ただこれはコストとの兼ね合いで、多少品質が落ちても価格が安くなれば良いという考え方も成り立ちます。とりあえず、2-3℃の温度分布ぐらいなら直ちには問題にならないでしょうが、長期の信頼性にどのような影響があるかはこれから見ていく必要があると思われます。
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太陽光発電の動作チェックについて、いろいろ書いてきました。とりあえずはこれで一段落ついたかと思います。IVカーブやバイパスダイオードについてはまだ書きたいことがありますが、少し時間をもらい、十分準備してから書きたいと思います。
結構、説明の文や図を用意するのは大変なので、かなり先の話になるかもしれません。それまでは、この30年間を振り返って気が付いたことなどを道楽ブログとして書いて間を持たせようかな、などと考えています。
引き続きよろしくお願いします。
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