90年代も最後の頃の太陽光プロジェクトです。JICAの開発調査で行われました。内容は50Wほどのソーラーパネルによるソーラーホームシステム(SHS)を2カ村に計100台をパイロットプロジェクトとして導入するもので、キリバスと同様に保守サービスの体制もプロジェクトの中で構築されました。この時期は世界中で同じようなプロジェクトが盛んに行われていました。
ジンバブエでもJICAのプロジェクトが行われる前にUNDP(国連開発計画)という機関によって1万台強のSHSが導入されていました。両者を見てみるとJICAの特徴の一面が判ってきます。
その前にJICAのプロジェクトについてもう少し説明しておきます。JICAのプロジェクトでは開発調査のパイロットプロジェクトで100台のSHSが設置されましたが、その持続性を高めるために更に2年ずつ2回にわたって日本人の専門家が派遣されました。開発調査が2年間だったので、計6年にわたって支援が続けられたことになります。設置されたSHSは現地の保守サービスの会社が毎月サービス料をとって保守をします。派遣された専門家は主に先方政府やこの保守サービス会社と連携して仕事をしていました。
一方のUNDPのプロジェクトはSHSをローンによりユーザーに売るという方式で、UNDPにより教育を受けた会社がSHSを売りローンを回収します。SHSの教育を受けているので、トラブルがあっても対応することができます。
UNDPのプロジェクトが終わる頃にJICAのプロジェクトが始まりました。そしてJICAのプロジェクトが終わる頃(6年後)にUNDPやJICAのSHSがどうなっているか調査が行われました。
調査結果ではUNDPのプロジェクトのSHSでは稼働率が4割程度なのに対し、JICAのプロジェクトのSHSは稼働率9割となり、JICAの保守会社方式が優れているということになりましたが、もう少しこの調査結果は検討の余地があるようです。長くなりましたので、それについては次回に回します。
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