今回のタイトルは「途上国へのPVプロジェクト?」と最後に ? を付けました。これは、途上国は本当にPVを必要としているかということに疑問があったからです。
太陽光発電の特徴は、「配電線が無くても太陽光設備を設置するだけで電化できる」という点にあります。途上国の地方では配電線がいつ来るかなんて全く見当が付きません。そんなところにでも太陽光発電設備は持って行くだけで簡単に電化できます。このために一時期、太陽光発電は途上国地方電化の救世主として注目されたわけですが、使ってみるといろいろ制約があり使いづらいということが分かってきました。従って今では途上国側は、配電線を広げて電化を進める方を望んでいて、太陽光を設置して欲しいと思っているわけではありません。
一方、日本側でのこれまでの太陽光発電プロジェクトの作り方は、初めから「太陽光ありき」の傾向が強かった上に、途上国に対し「教えてやる」といった「上から目線」的な取り組みが多かったと思います。尤もこれは太陽光以外にも言えるのではないかと思っています。ほとんどの途上国プロジェクトは表面的には成果を上げたことになっていますが、実際には途上国側は喜んでいるのか疑問が残るものが多くあります。
私もプロジェクト提案のようなことをしたことがありましたが、何しろ太陽光しかできない人間なので、当然、「太陽光ありき」のプロジェクト形成でした。
上から目線というのは少し言い過ぎかもしれません。しかし、文化の大きなギャップがある中で日本人が途上国の本当のニーズを知るのは難しいと思います。相手のニーズを良く掴まずに「教える」というのは大変失礼なことです。「教える」のではなく、こちらが「学ぶ」ぐらいの気持ちで取組むべきだったのではと今更思います。
このように批判してしまうのは簡単ですが、実際に「太陽光ありき」や「上から目線」を無くすのは極めて難しいのではとも思います。ただ「上から目線」を通り越して、担当者の自己満足に終わってしまっているような案件は、さすがに避けるべきでしょう。それならいっそのこと「自国のために」という取り組みにしたら、このような混乱は少しでも減るのでは、というのがこれまでの私の最近の感想です。
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途上国プロジェクトの話で、過去の逸話や経験を書こうと思いましたが、少し、私の回想録的になってしまったかもしれません。とりあえず途上国の話はこれで一休みして、また別の話題に進みたいと思います。
最近また太陽光発電のチェックの話を進めているので、ある程度まとまればその紹介をしたいと思います。それまでは気まぐれに何かブログします。途上国の話も入るかもしれません。
どうぞ引き続きよろしくお願いします。
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