第2発電所の話も太陽光発電の動作チェックの話も、今のところ進展がないので、少し技術の話で幕間を繋ぎたいと思います。まぁ所詮私は元技術屋なので、技術の話をブログのネタに取り入れるぐらいしか能がありませんので。
最近、太陽電池の反射光が迷惑になるという話題を良く耳にします。パネル表面に当たった光の内、7 – 8 % は反射されるので、この光をまともに受けると結構迷惑なものです。太陽電池パネルのガラス表面は、少し凸凹になっていて、反射光を散乱させるようにはなっているのですが、これだけでは不十分なようです。迷惑をかけてしまうところでは、反射光を遮るように木を植えたりして工夫しているようです。
反射光が迷惑だという話はここまでにして・・・、
ここで取り上げたい反射防止は太陽電池の効率を上げるために少しでも多く光を太陽電池セルに吸収させるための反射防止の技術の話です。
さて、
太陽電池の効率を上げるために、セル表面での光の反射を抑える方法には2通りあります。一つは表面に反射防止膜を付ける方法で、もう一つは表面に凹凸(テクスチャーと言います)を付ける方法です。
まず反射防止膜を付ける方法について・・・、
これはメガネの反射防止に使われている技術と同じものです。
光が物質に当たるとその表面で反射が起こりますが、この時の物質と空気との屈折率の差が大きいほど反射が多くなります。空気の屈折率は1、シリコンの屈折率は4ほどあるので、屈折率の差が大きく、そのままでは多くの反射が起こってしまいます。
そのために、空気とシリコンの中間の屈折率の膜を表面につけ、屈折率の急激な変化を抑え反射を防止します。この膜を反射防止膜と言います。
反射防止膜はできるだけ薄く付けます。その方が光の減衰が少なくなりますから。
更に光がこの膜を通るときに干渉を利用して反射を少なくする技術が使われています。
この干渉という作用はなかなか面白く、これによりまるで太陽電池に色がついているように見えます。ほとんどの太陽電池は青色をしていますが、それは太陽電池自身の色というより、反射防止膜による干渉の色が見えているだけなのです。(太陽電池に使われているシリコンの色は灰色です)
この干渉作用を別の目的で利用した太陽電池もあるようです。次回、もう少し触れたいと思います。
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