マイクロクラックやEL試験と言うのはここ10年ぐらいで話題になってきたと思います。昔の太陽電池セルはもっと厚みがあったためか、マイクロクラックのようなことはあまり話題になっていませんでした。
太陽電池の表面電極構造を考えれば気が付くかと思いますが、太陽電池は基板に少々クラックが入っても、表面の細い収電極が断線しなければ電気特性にほとんど影響を与えません。また、たとえ収電極が断線しても、断線が1ヵ所であれば電流は他方のバスバーに流れるので、それほど特性に影響ありません。
(このように、クラックが少々あっても太陽電池は動作するということに気が付いたきっかけは次回説明しようと思いますが・・・。)
とにかく、軽いクラックであれば電気特性はあまり変わりませんし、そのようなクラックはEL試験でもなかなか発見しにくいと思います。またEL試験で検出できないようなクラックであればとりあえず問題ないとも言えますし、逆にEL試験で判るようなクラックであれば電気特性でも異常が判るだろうと思います。
要は、電気特性を測れば大抵のことはわかるということです。
結局、EL試験と言うのは太陽電池の試験と言うよりは、不良電池をより詳しく調べるためのツールで、保守などにはそれほど役に立たないでしょう。出荷試験では役に立つかもしれませんが、EL画像から細かいクラックを発見するには、かなり検査慣れした人を配置する必要があると思います。
ただ出荷試験でマイクロクラックが多く見つかるようでは、そのメーカーは出荷試験よりも製造工程での品質管理をかなり強化することが必要ではないかと思います。取扱いの不良でたまたまクラックが発生することもあるでしょうが、それより基板の品質や製造工程での熱などの管理が悪く、クラックが発生しやすくなっている可能性が高いと思われるからです。
多分、日本のメーカーは問題ないとは思いますが。
やはり怪しいのは例の国でしょうか・・・。
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