太陽光発電導入に期待はしても礼賛はしません

(カテゴリ: 太陽光発電道楽人の独り言)

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昨日、私は太陽光発電の礼賛者ではないと書きました。勿論、私は太陽光発電の推進派ではありますが、妄信的に礼賛しようとは思っていないという意味です。

 

私が太陽光発電の普及に対して持っているイメージは2000年代にNEDOから出された2030年までの太陽光発電推進のロードマップです。そこでは2030年までに太陽光発電累積設置量の目標を30GWとしていました。

 

当時の日本はFITを導入していなくて、RPS(電力会社に一定量の再生可能エネルギー発電を義務づけるもの)での再エネ導入を意識していたと思います。私もFITで市場が乱されるよりは適切な割り当て量によるRPSを導入する方が良いのかなと思っていました。いずれにせよ、30GWというのは当時の感覚からするとかなり野心的な目標で、本当にこんなものが実現できるのかと心配になるほどでした。

 

ところが管直人首相の時に、再生可能エネルギー普及促進のためFIT導入へと舵を切られ、しかもFIT価格が42円という売り手に超有利な価格設定となって、市場が一気に爆発してしまいました。現状はまだ累積導入量は30GWには達していないと思いますが、後2-3年で達するのではないかという勢いです。もう太陽光発電は十分に導入されているのではないかと言ってもいいような状況です。

 

昨年、太陽光発電導入に対して、抑制の問題や導入の一時中断などの諸問題が起こるに至ったようですが、2030年に30GWというロードマップを作った時にも系統安定性の課題は指摘されており、同時に対処しながら進めるものと考えられていました。しかし太陽光の導入量が予想以上の速さだったので、系統整備は全く追いつかなかったようです。

 

ちょうどこのタイミングに東北地震に引き起こされた原発問題も起こったことも、再生可能エネルギーへの期待を高める要因になったのでしょう。今では、再生可能エネルギーをやたら美化し、抑制などを起こす電力会社の姿勢を批判する風潮もあります。一昔前から考えると夢のような状況ですが、逆に再エネは礼賛され過ぎという感じもします。

 

電力会社の抑制や再生可能エネルギー導可能入量の見積もりに対して議論の余地があることは確かですが、私は系統安定性も重要な課題だと思っています。昨日指摘しましたように、品質の高い系統を築いた電力会社の努力を私は評価していますし、この日本の強い面を今後も維持して欲しいと思っています。

 

現在の太陽光発電の導入より、今後の導入のためにもっと系統安定化に注力する方が今は重要なのではないでしょうか。そういう意味から私は再エネ礼賛するだけでいることには抵抗を感じます。

 

とは言え、系統安定化なんてビジネスにならないので難しい話かもしれませんが。

 

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