リスクを減らす太陽光パネル選び 太陽光パネルを発光ダイオードにしてしまえばいいじゃない 2013年2月12日 (カテゴリ: ●太陽光発電のリスク・デメリット) ツイート メーカーの違う、同じ250Wの出力を持つ太陽光パネルA,Bがあった時に どちらが価値があるか。太陽光発電に投資しようとするものであれば 誰もが気になるところでしょう。 JISで定める太陽電池モジュール(太陽光パネル)の 基準は以下のとおりとなります。 日本工業規格 (JIS)が定める太陽電池モジュールの出力特性 開放電圧 (Voc) 公称開放電圧の±10% 短絡電流 (Isc) 公称短絡電流の90%以上 最大出力(Pm) 公称最大出力の90%以上 最大出力動作電圧 (Vpml 受渡当事者間の協定による 最大出力動作電流 (Ipm) 受渡当事者間の協定による 曲線因子 (FF) 受渡当事者間の協定による モジュ ール変換効率 受渡当事者間の協定による 細かいことは特に知る必要はありません。 それぞれ数値が大きければ優れた太陽電池モジュールで あるということになります。 冒頭での例のようにA社製、B社製のパネルがあったとすると JISの規格によれば出力は225W以上であればいいことになります。 機械で作るからと言って全て同じ物が出来るわけではありません。 同じメーカー製であっても出力には1~2%程度の差異が出てきます。 この平均値が少しでも高いメーカーがわかればいいのですが 残念ながら私の手元にそのようなデータはありませんし 企業秘密なのでこれから先も知る方法はないでしょう。 まずは同じ出力の表記でも出荷時から出力の ばらつきがあることだけ覚えておいてください。 【検査体制でメーカーを評価する】 ではなぜばらつきが出てくるのでしょうか。 太陽電池モジュールはセルと呼ばれる小さな太陽電池が 直列に繋がって形成されています。 光が当たると発電する乾電池が直列に繋がっているようなものです。 その一つ一つのセルは非常に繊細なものなので 製造の工程でヒビ等が入ることがあります。 もし一つ25個つながった電池が1個だけ8割しか 発電できなかったとしたらどうなるでしょうか。 通常25の能力があるものが24.8しか 能力を発揮しないことになります。 先ほどの250Wの製品で考えれば欠陥品は248W。 JISの規格はクリアしてしまいますよね。 しかし元々ヒビが入っているパネルは どんどん劣化して出力が低下するだけではなく 電流を流れにくくしてしまうので時間とともに このパネルは急激に劣化していくこととなります。 もちろんメーカーは集荷前に実際に光を当てて 発電テストをしますが、影響が小さいうちは 欠陥のない製品と判断されてしまう可能性が高いでしょう。 そこで登場するのがEL検査です。 【太陽電池を光らせて欠陥を発見する】 EL検査のELとはエレクトロルミネセンスの略。 EL検査とは単純に言えば太陽電池に電気を流して 光らせる検査方法です。 これは発光ダイオードを光らせる反応と同じ原理です。 実は太陽電池と発光ダイオードは、原理的には同じで 逆に発光ダイオードで発電はできます。 もちろん前者は光を吸収しやすいように、 後者は光を放出しやすいように組成を変えているので 逆の反応は非常に微弱なものとなりますすが。 このEL検査で光った太陽電池を特殊な装置で見ると 前述の太陽電池モジュールに入ったヒビを 発見することができます。 EL検査をやっていないメーカーは今時ほとんどないそうですが、 やっているといっても何枚か抜き取りでやる検査と 全量検査とではもちろん信頼性が違いますよね。 日本の国内主要メーカーは全て全量検査ですが 海外メーカーは抜き取り検査のみのメーカーも多いようです。 もし皆さんの中で自分の使おうとしているメーカーのパネルが 全量検査をしているか気になるようでしたらご連絡ください。 私の知っている範囲ですが答えさせて頂きます(^^) « 前の記事へ 次の記事へ » ツイート 関連記事 【完結】ソーラーワールド社のパネルを語った詐欺4 ご要望があったので 【注意】ソーラーワールド社のパネルを語った詐欺1 【注意】ソーラーワールド社のパネルを語った詐欺2 【注意】ソーラー 記事を読む 太陽光発電所設置時における不安を解消 ソーラーブルーの乗り越え方 FITが始まって約1年半、太陽光発電所の設置工事も だいぶ本格化している中、太陽光発電所設置を前に 不安になる「ソーラーブルー」になる方 記事を読む 50kW低圧太陽光発電所のパネル25年保証の現実1 製品10年、出力25年補償が事実上の スタンダードとなっている日本の太陽光パネル市場。 購入者から見ればほとんどリスクはゼロに見えます。 記事を読む 九州電力の太陽光発電受け入れ中断の内容 九州電力の太陽光発電の受け入れ中断の説明会が各地で開催されています。太陽光発電ムラ仲間たちもかなり多くの方が参加しているので日々リアルタイ 記事を読む 太陽光発電所のパネルメーカーの倒産と設備認定 メルマガの読者さんからパネルメーカーの倒産と設備認定の関係についてご質問を頂きました。以前にも同じようなご質問を頂いたことがあるので共有 記事を読む 太陽光発電から撤退する企業、生き残る企業 シャープが太陽光パネルの国内生産から撤退するかもしれません。以下、毎日新聞の記事より転載です。 http://goo.gl/51c9PU 記事を読む 太陽光発電所の草刈りと火災 太陽光発電ムラ仲間のIさんから衝撃的な写真を頂いたので共有させていただきます。 こちらは野立ての太陽光発電所で起きた火災だそうです。 記事を読む 九州電力管内の出力制御とリスク 今日も長崎で太陽光発電所の分譲案件の調査でした。こちらも販売価格が決定次第、ご紹介させていただく予定です。やはり長崎は日射量がいいので発電 記事を読む 太陽光発電所を点検すべきタイミングと費用対効果 太陽光発電所のメンテナンスについてのDMが、最近になってやたらと来るようになりました。 野立ての太陽光発電所が販売され始めた当初、メンテ 記事を読む 太陽光発電所の32円以降の案件売買時の注意 最近、太陽光発電ムラ仲間から 「急に設備認定を取り消された」 と、相談を頂くことが多くなりました。 業者が発電所の販売にあたり、全額 記事を読む コメントを残す コメントをキャンセル 名前(必須) メールアドレス(必須/公開はされません) ウェブサイト コメント(必須) 次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>
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