最近は太陽光発電の土地争奪戦が激しく、
発電所用地を海岸近くに求められる方も少なくありません。
以前は津波に保険がありませんでしたのでかなりリスキーでしたが
最近は津波もオプションで付帯することが出来るようになってきたため、
今後も増えてくることでしょう。
しかし、意外と見落としがちなのが塩害対策です。
自動車でも海の近くなどに行くとサビが酷いですよね。
私の父の実家がある伊豆大島も新車を買う人は殆どいませんでした。
5年くらいでボディが錆びてボロボロになってしまうので。
太陽光発電所であれば、表面が少しくらい錆びてもいいと
思われるかもしれませんがそうはいきません。
怖いのは錆だけではない
自動車が塩害で錆びても走り続けるように、太陽光パネルも
表面が錆びても発電をし続けます。
しかし、太陽光パネルを構成している部品はフレームの金属のほか、
ガラス、そしてパックシートと呼ばれる高分子材料(プラスチック、ゴム)
があります。
太陽光パネルの劣化の原因が金属の腐食である事はほとんどありません。
物理的な要因を除けば、そのほとんどはバックシートからの水分の侵入。
高分子材料は塩で劣化するので、金属と高分子材料の接合部分は特に
ケアしてやらなければなりません。
塩害対策を必要とする地域
一般に電気設備では直接波しぶきがあたる場所を「岩礁隣接地域」、
海岸から200m~500m以内を「重塩害地域」、
海岸から2km以内を「塩害地域」と区別して、対策を施すことになります。
太陽光発電所に関しては塩害地域においては
パネル、パワコンのの製品・性能保証の対象外となるのが通常です。
これは営業マンも知らなかったり、知っていても説明をセずに
売りつけることがあるので注意が必要です。
太陽光パネルやパワコンの種類メーカーにより塩害地域の定義が
違いますので購入しようとしているパネル、パワコンのメーカーに
直接問い合わせ確認してください。
その際には証拠が残るよう、必ずメールで問い合わせて返信を
保護しておく事をお薦めします。今はまだ各社のコールセンターも
混乱していたりして間違った回答が来ることも少なくありません。
塩害対策済みの太陽光パネル
太陽光パネルの中には塩害対策済みのものがあります。
具体的に言うとIIEC61701 の第 2 版に基づきEC60068-2-52 と呼ばれる
塩水噴霧サイクル試験方法をパスしたものなります。
これは塩水噴霧後の湿潤環境下での放置も含めたサイクル試験ですが
2011 年以前の IEC61701 第 1 版では、IEC60068-2-11 が
参照されており、塩水噴霧のみで評価されていました。
従って IEC61701 の第 1 版に基づき評価されている場合には、
信頼性が少し低くなるので注意が必要です。
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