今日お客さんとお話をしていたら別案件でご苦労されているという話題になりました。

すでに連系は済んでいるが、いまだに監視装置が動かないという案件なのですが、問題はその発電所がシミュレーションどおり発電していないことです。

シミュレーションどおり出ていないことも問題なのですが、それがなぜなのかが全く推測できないというのが辛いです。

辛いのですが、なぜその発電所の監視装置は動かないのでしょうか？

日本の電気工事屋さんの大部分は物理的な接続レベルまでが施工範囲

実はここに大きな盲点があります。

電気工事屋さんは物を据え付け、電源工事を行い、施工書に書かれた結線を安全に行う専門家です。

ですが、昨今のICTの進歩に伴うIT機器設定は苦手な工事屋さんがとても多いのです。

家のルーターの設定やメールサーバーの設定をやったことがある人はそこを思い出してみるとわかりやすいと思います。

LANケーブルで物理的に繋ぐまでが電気工事。

その後のプロトコル設定（メールであればSMTPなど、通信機器であればTCP/IPなど）は苦手な工事屋さんがとても多いのです。

僕は新潟で買った発電所の一つはSMAでした。

海外のパワコンは監視装置、通信装置がセットになったものが多いのですが、その工事屋さんも通信部分はまるでダメでした。

僕は自分でルーターを購入し通信設定を行いました。

１年後、出力抑制制御ユニットを設置しましたが、その設置を別の業者に頼んだ時もやはり同様でした。

物理的な結線はできるが、論理的な通信設定は全くできなかったのです。

別の案件でも家庭用のSolarEdgeの設定は全くお手上げでした。

別に施工手順書を見ながら、わからないところはカスタマーサービスに電話をしながら一つ一つ穴を埋めていく作業をするだけなのですが最初から「これは電気工事屋さんの仕事ではない」と決めつけている業者さんもいるんです。

ではどうすればいいか

本当に根本から苦手な人には申し訳ないのですが、最悪の最悪「自分で設定する」というのが一つの回答です。

僕の場合はこれでした。

新卒で入った会社の仕事がSEだったこともこの辺では少し有利に働いていますが、ちょっと苦労はしますがまぁなんとかなります。

もし、本当にコンピューター音痴な方であれば、ここはもうお金で解決するしかありません。

本来パワコンがICT機器と化していることは喜ぶべきことであり、それを取り扱う工事会社は設定作業ができるのが前提なのですが、学校教育や役所の仕事がいつまで経ってもICT化されないのと同様、機器の進歩について行きづらい現状があるのは認めざるを得ないのかもしれません。

電気工事同様、最後は自分でできるというのは発電投資家としての僕の強みですね。

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