「早い者勝ち」という表現は売り手の焦り

太陽光発電もFIT買い取り価格が下げられ、収益を得るのに工夫がいるようになりました。それでも遊休地を持ち、個人で工夫して設置する場合はかなりの収益が得られるのではないかと思いますが、普通の分譲の発電所で収益を得るのは難しくなっているでしょう。

 

よく広告で見られる分譲物件では「表面利回り」が10-11%のものが多いですね。一見、すごい利回りに見えますが、これはあくまで「表面利回り」。正直に「表面」と書いているところは評価できますが、実質的なキャッシュフローには触れられていません。少し試算してみましょう。

 

太陽光発電所の税務上の償却年数は17年ですが、FIT買い取り期間が20年なので、20年で投資回収するとすると、回収経費が5%になります。土地が買取りか賃貸かで異なりますが賃貸と仮定して賃貸費、保守の委託費(自分で保守できるなら割愛できますが)、固定資産税、保険、諸経費などを合わせると投資の2-3%ぐらいの年経費がかかりそうです。

 

こうして見ると「表面利回り」が10%で手元に残るのは2-3%ぐらい、銀行利子よりは遥かに良いですが、もし融資を受けていると手元にはほとんど残らないことになります。20年の間にはトラブルが起こる可能性も高いでしょう。分譲の「表面利回り」だけを見るなら11%の後半ぐらいはないと安心できませんね。

 

太陽光発電所分譲のビジネスが難しくなっているのを売り手側も認識しているのでしょう、下のような売り手の焦りを感じる広告が多く見られます。

早い者勝ち

「早い者勝ち」ですか。売れる自信があればこんな言葉はいらないでしょう。何とか買い手を煽ろうとしているような印象を受けます。太陽光発電に限らず不動産や他にも多くの分野で「早い者勝ち」の言葉を見ますが、気にせずじっくり見極めるのが賢明でしょう。

 

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