NEDOのニュースとして題記の報告がありました(太陽電池モジュールで世界最高変換効率31.17%を達成)。インジウムガリウムヒ素を最下層に3層積み重ねた特殊な太陽電池で、これまで1cm角で37.9%の効率を達成していましたが、今回は30cm角ほどの大きさで31.17%を達成しました。この大きさでは世界一のようです。
これは特殊な太陽電池でコストもかかり、すぐに一般的に使われているシリコン太陽電池分野に影響を与えるというものでは無いでしょう。ただ、記事を見ると軽量・フレキシブルと書いてありますので、宇宙用などの分野以外にも用途を見いだせるかもしれません。
ところで、
シャープは今や鴻海の傘下となり、太陽電池部門はこの先どうなるか判りません、というか、多分無くなるのでしょう。そういう中でこの発表ですから、違和感を持つ人も多いと思います。ただ、この発表はシャープからでなくNEDOから出されたようなので、NEDOがネタにこと欠いて無理に発表したのかもしれません。それにしても、シャープの人はこの発表をどのように見ているのでしょうね。
シャープのNEDOプロジェクトと言えば、これ以外に「バックコンタクトヘテロ接合太陽電池の量産技術開発」というのもあって(シャープの逆転打となるか、NEDOプロジェクト)、そちらの方が実用性もあり気になるところですが、どうなっているのでしょう。これも今年までのプロジェクトだったと思いますので、今年の成果報告で出てくることを期待しているのですが・・・。
まぁ、シャープにしてみれば太陽電池からは撤退しそうなので、実用性のありそうな技術開発よりも、先行き判らない特殊用途の太陽電池でNEDOに義理を果たしておく方が賢明かもしれません。
ちょっと穿った見方をし過ぎているでしょうか。
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