ソーラーフロンティアがCIS太陽電池で世界最高を更新したようですね(ソーラーフロンティア、CIS系薄膜太陽電池セルで世界最高変換効率23.35%を達成)。とりあえずはおめでたい話であり、ご同慶の至りです。
ただこのプレスリリース、ちょっと紛らわしいですね。
同社の太陽電池はCISという特殊な種類のもので、日本ではソーラーフロンティアしか製造していませんし、世界を見ても少数派です。そのCIS太陽電池で同社はカドミウムを使って効率向上を行ってきたのですが、この度カドミウムを使わないで世界最高を達成することができたということらしいです。
そこまでは良いのですが、その結果として「数ある太陽電池技術の中でも特に環境特性が優れており、カドミウムや鉛などを使用することなく省資源で高い変換効率を実現しています」という結論になっているのが気になります。普通のシリコン太陽電池はカドミウムなんて使っていませんからね。また鉛は太陽電池に使われているというより、配線のはんだ付けで使われる可能性があるというだけで、シリコン太陽電池でも最近は鉛フリーになってきています。
「環境特性が優れており」というのはどういう意味でしょうね。カドミウムや鉛の話でなかったら、同社が得意としている温度特性や影特性の話でしょうか? このプレスリリースからはそのように読み取るのは難しいですね。むしろ他の太陽電池がカドミウムや鉛を使っているという印象を与えています。
プレスリリースでこのような紛らわしい表現をするのは感心できません。あわよくば読者に誤解を与えようという下心が感じられます。このプレスリリースを読んだ人はどのような印象を持つのでしょうか。私の見方が歪んでいるだけなのでしょうか。
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