出力不安定な太陽光発電が大量普及すると、系統からの出力抑制が発生する可能性があることが前から指摘されていました。特に九州電力は系統の余裕が少なく、既に設備認定量が接続可能量を上回っていますので、近いうちに出力抑制が不可避になると言われています。
これについては九州電力も問題意識を持っており、出力抑制回避策を考えているようで、その一つである蓄電池による方法を実証していることが紹介されていました(迫る太陽光への出力抑制!?九電が大型蓄電池で回避策)。
5万kW、30万kWhのバッテリーを使い実証するようです。バッテリーにはNAS電池を使っています。これだけのバッテリー容量は世界的にも最大クラスだそうです。
九電の接続可能量はこれまで817万kWと言われていましたが、バッテリーを5万kW導入することで、どれぐらい余裕度が上がるのでしょうね。単純に5万kW上がるだけなら、まだまだいっぱいバッテリーが要るような気がします。もっと接続可能量を増やすうまい運転方法があるのかもしれません。この辺りも実証の対象なのでしょうか。
バッテリーを導入すれば接続可能量を増やすことができるのは自明のことなのですが、やはり問題はコスト。今回は実証なので経産省の「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」のプロジェクトとして実施し、費用はおそらく国から出ているのだと思います。九州電力はうまくやりましたね。
実証期間は2015~2016年度になっていますから、もうかなり終わっているでしょうが、ちょっと実証期間が短いような気もします。記事では系統運用のいろいろな細かい実証を行うようなことが書いてありますので、それなら5年ぐらいかけた方が良いのではと言う気もします。それだと間に合わないのかもしれません。何しろ九電では系統がパンク寸前ですから。
このプロジェクト、確かに系統安定化の実証ではありますが、九電救済の意図もあるような気がします。まぁ、いずれにせよ、太陽光発電が普及しやすくなっていくことは嬉しいことです。
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