マイクログリッドという言葉はよく誤解されますが、系統網の中の一部をまとめ、そこに発電所なども導入して独立に動けるようにしたローカルな系統で、メインの系統と1点で接続されて何かの時には電力の融通もできるようにしたものです。ミニグリッドの小さいもののように聞こえますが、少し違います。
マイクログリッドは、もともとはアメリカで考案されたものです。アメリカでは電力の信頼性が低かったために、ローカルで小さな発電所を持ち信頼性の高い電源を確保しようとしました。マイクログリッドを作り、その中で高品質の電力を提供するユーザーからは高い電気代を求め、一般のユーザーには少し安く電力を供給して収支を合わせるというビジネスモデルです。
日本では電力の品質が高かったためにこのようなニーズがありませんでしたが、今後、不安定な再生可能エネルギーの導入を増やすためには、マイクログリッドのビジネスも可能になるのではと言われています。
このような背景で、日本でも2000年頃からマイクログリッドについての実証研究が行われてきましたが、最近、九電工がインドネシアで実証研究を行うというニュースがありました(インドネシアの離島で「太陽光+鉛蓄電池」のマイクログリッド、九電工が実証)。
実証場所のスンバ島では既にインドネシアがマイクログリッドを導入しているようですが、太陽光や蓄電池をうまく使って更に運用効率を上げるために行うようです。同じようなプロジェクトは昔からいくつも行われていて、今回のものに特に大きな特徴は無いのですが、いろいろデータ・経験を積み重ねないとノウハウが得られない世界なのでしょう。
インドネシアは日本よりはるかに系統の質の悪いところですから、そこでの実証は九電工にとっては良い経験になるでしょう。一方のインドネシア側には日本の緻密な計画・管理を経験してもらう機会になります、と言う具合にWin-Winになれば良いのですが、まぁ期待していましょう。
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