前回までに、六甲アイランドでの単独運転模擬の実証はとても貴重なのに、肝心の実証データを入手するのがとても難しいことを説明してきました。
しかし、今から考えるとどうも不自然な気がします。
というのは、その時、実証結果が確かにグラフを用いて発表されたのですが、データは予稿集には載っていなくて、OHPが表示されその場で口頭説明があっただけだったからです。
このようなことは、予稿集の締め切りに間に合わなかった最新のデータを発表で示す時に良くあることなので、その時には気にしませんでした。しかし、後になって、あの時のグラフが欲しいなと思いましたが、Webでいくら探しても見つけることができないのです。
あまりデータを残したくなかったのではないでしょうか。あくまでこれは想像なのですが・・・・。
考えてみれば、単独運転を再現することはとても難しいと思います。報告では確か、系統を停電させても数秒から数分の間、出力を続けるパワコンの波形が示されていました。その上で「発電と負荷の需要と供給がバランスしている時に単独運転が起こりやすい」と結論づけていましたが、その条件だけでパワコンに単独運転をさせる方が逆に難しいと思います。何か相当無理な工夫して単独運転らしき現象を起こさせ、証拠を残したくなかった、のではないか・・・・。ついつい、そんなことを想像してしまいます。
捏造の発表だったとしても、まぁ、STAP細胞の捏造に比べたら、はるかに良心的で建設的な捏造でしょうが・・・。
私は日本の電力の品質が高いこと、電力会社がそのために努力していることは認めています。電力事業の自由化は必要だと思っていますが、社会インフラ維持のためには市場への一定の規制が必要だとも思っています。また、やたらに「反原発」を振りかざそうとも、再エネを礼賛しようとも思いません。ただ、太陽光発電の仕事を通じて見てきた電力会社の印象は、非常に上から目線的であり無責任で改善意欲に欠けているというものでした。
電力会社の振舞いがもう少し素直なものであったなら、原発事故に対する世の中の反応ももっと違っていただろうとつくづく思います。
六甲アイランドの発表はかなり素直なものだったと思いますが、どうもデータが無いということからは嫌な印象を持ってしまい、こういう発言となってしまいました。
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