今年は台風などにより大規模停電が頻発しましたが、同時に災害時の停電対策としての太陽光発電の価値も認識されることになりました。ただ、普通の太陽光発電システムは太陽の照っている時しか使えないという不便さがありますが、「太陽光+蓄電池」を持っていて活用できたところもあったようです(台風による大規模停電、「蓄電池付き太陽光」が活躍、千葉と長野で)。
太陽光+蓄電池なら停電時でも十分に役に立つだろうことは良く判ります。しかし、現状ではあまりにコスト高になるため、皆な敬遠しているのですが、ここではどういう背景で導入したのか気になりました。記事によると、このシステムは鋸南町の小学校にあるらしく、文科省のスクールニューディール政策の時に導入されたそうです。
「スクールニューディール政策?」、良く判らなかったので更に調べると、10年ほど前に学校の耐震性やエコ、ICTを強化するために実施された政策で、日本全体で4900億円が計上されたようです。それを使って鋸南町では上記のシステムを導入したのでしょう。太陽光30kWに蓄電池32kWhのシステムだそうです。
とりあえずは役に立って良かったですね。しかし記事を見ると、成果としては「太陽光+蓄電池」のお陰で「割れた窓ガラスの破片を停電中に電気掃除機を使って掃除することができた」と書いてあるだけで、「えっ、それだけ?」とガッカリしてしまいませんか? 何百万円(あるいは何千万円)も出して、掃除ができただけで成果が出たと言えるのでしょうかね。せっかくの太陽光+蓄電池システムが泣いていますよ。
これは学校側に問題がありますね。蓄電池を持っているのですからもう少し有効活用する方法を考えておくべきです。この記事は成功談のように取り上げていますが、むしろ失敗談として「今後もっと有効活用できるようにしなければならない」という反省材料に使うべきだなと思いました。
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