日本では太陽光発電普及のために90年代から系統連系要件や住宅用太陽光発電導入支援策を整備してきました。更に普及を図るために「再生可能エネルギー法」が導入され・・・・・と思いますが、ちょっと記憶があいまいで、また再生可能エネルギー法を読んだわけではないので、実はあまりはっきりしたことは言えませんが・・・。
まぁ、
再生可能エネルギーを普及させるために、発電した電力を高い価格で買い取ることを法的に裏付けられることになったのではないかと思っています。
で、
太陽光発電などの再生可能エネルギーで作られた電力を高く買い取る方法として、固定枠買い取り制度と固定価格買い取り制度が考えられました。これらの方法は、言葉からも想像がつきますが、
固定枠買い取り制度
電力会社に発電量の一定割合を再生可能エネルギーで賄うように義務付けるもの
固定価格買い取り制度
再生可能エネルギーで生産される電力を一定価格で買い取るように電力会社に義務付けるもの
はじめ日本は固定枠買い取り制度を採用し、ドイツは固定価格買い取り制度を採用しました。この結果、ドイツが再生可能エネルギーの普及が急速に進み、日本を追い越すことになりました。これは、ドイツの買い取り価格がやたら高かった(70円/kWhぐらいだったと思う)ことと、日本の買い取り枠が小さかったこと(覚えていませんが1%以下だったような気がします)から、当然の結果だったと思います。
まぁ、日本では電力会社の力が強く、彼らが再生可能エネルギーの普及を固定枠で小さく抑え込もうとしたのではないかと想像しています。
結局、日本はその後固定価格買い取り制度に移行し、現在に至っています。
固定価格買い取りでFITを先行したドイツやスペインでは、FITを高く設定しすぎたためFITを賄うための賦課金が異様に高くなってしまい、その後大幅に制度を見直すことになりました。日本ではその経験を活かしたFIT価格設定があるかと思いましたが、意外に高い設定でやはり太陽光バブルを引き起こしました。
もっとも、経産省はある程度これを想定していて、3年でバブルを終息させるつもりでFITをコントロールしようとしていました。確かに3年でFIT価格を急速に低下させましたが、それでもやはり高めかなという印象はあります。この結果、皆様がご存知のように膨大な設備量が認定されることになっています。
一方、電力会社は九州電力の例に見られるように、系統安定のためにはこれ以上接続を増やすのは難しいと言い出しました。電力会社は保守的で殿様商売の体質が染みついているので、太陽光のような余計なもののために手間をとられるのを極端に嫌います。従って、これ以上接続できないという話には眉唾なところはありますが、太陽光の大量接続で系統不安定の恐れがあることは確かです。当初、電力会社が固定価格制度より固定枠制度を志向したのもこの辺りの配慮があったからかもしれません。
今の状況で急に「これ以上接続できない」などと言うのはあまりに無茶だとは思いますが、電力会社の言い分が分からないでもありません(尤も私は電力会社が嫌いです、その昔ずいぶん苛められたので)。「再生可能エネルギー普及促進賦課金」は、単に再生可能エネルギーの発電のためだけでなく、系統の強化にも使えるようにする必要があるのかもしれません。系統強化も再生可能エネルギー普及には必要なことですから。
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