天気予報から太陽光発電を効率よく制御するシステムが開発されたそうです(天気予報から太陽光発電量を予測し、蓄電システムを最適制御するHEMS)。こういうシステムを開発しなければ、という話は前々から聞いていましたが、こんなに早く出てくるとは驚きです。
しかし、私のイメージではこのようなシステムはもっと広い地域を対象として、天気予報からその地域での太陽光発電量を予測して、過不足を他電源で調整するものと思っていました。今回発表されたものは一つの家庭の中で、太陽光発電の過不足をバッテリーと深夜電力で調整するシステムのようです。確かにこういう考えもあるでしょう。
但し、太陽光発電のユーザーから見ると、FIT制度を使っている場合は太陽光発電で発電された電力は高価に買ってもらえるので、余計なことをせずに売電するのが一番経済性は良いはずです。バッテリーなどを使わずに、できるだけ売ってしまうのが良いので、発表されているようなHEMSは不要となります。
どうも、ここで考えられているのはFITを使わない独立型の太陽光発電(オフグリッド)を対象としたシステムではないかと思われます(記事でははっきりとは書かれていないので私の想像です)。
当然、現在の制度ではFITを使った系統連系が有利となりますが、FITの買い取り価格は年々下げられていますし、家庭用の高額買取り期間は10年しかありませんから、近い将来にFITによる系統連系よりオフグリッドの方が有利になってくる可能性は高いと言えます。深夜電力を使う場合はその可能性はもっと高くなります。どうも、発表されたシステムはそれを狙っているような気がします。
将来を読んで早く商品を出した、というところでしょうか。
ところで、このシステムの制御ロジックはFITや深夜電力などの電力制度・価格に大きく依存しそうです。この辺りは政府や電力会社の意向に大きく依存するところで、技術者から見れば、今一つ釈然としないシステムです。
太陽光発電やバッテリーのコストがもっと下がれば、本来のロジックのシステムになっていくのでしょうが、それまではこのような形で続くのでしょうか。
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