上記のようなニュースが最近流れていました(太陽光による水素製造、宮崎で世界最高効率24.4%を達成)。
以前にも同じようなニュースがあり、期待した割には中身が無かったのでがっかりしたことをブログで紹介しました(理研、太陽光エネルギーを水素に変換するシステムを発表、変換効率15.3%)。それがあったので、初めはこのニュースをスルーしていましたがTwitterでよく見かけるので、記事を見てみました。
記事を読むと確かに太陽光から水素を作る変換効率で世界最高を達成したようです。しかし、それを読んでももう一つピンと来ませんでした。
基本的には太陽電池で水を電気分解して水素を得る仕組みです。この方法には特に工夫は感じられません。今回の特徴は、高効率な集光型太陽電池を使ったことのようですが、この太陽電池は既に開発されていたもので、それを電気分解の電源に使った点が新しいようです。これを新しいと言えるのかな?
電気分解に使うのに電圧を調整してロスを無くしたとあるので、そこが工夫点かもしれませんが、電圧を合わせて使うというのは電気を使う上では当然行われることです。電圧を合わせるのに特に工夫があったような報告はありません。
どうも高効率の太陽電池を使ったことにより、世界最高の効率で水素製造ができたようです。そのこと自体は価値があるのでしょうが、技術的内容に新規性が無いというのは釈然としませんね。研究者の報告が下手だったのか、記者の理解力が不足していたのか判りませんが、記事の科学的内容としてはつまらないものでした。
ただ、同様な研究は結構あちこちで行われていて、変換効率の競争もあるようです。将来技術の水素製造ということで継続的に研究が行われているのでしょう。気長に眺めていくことにします。
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