「日本初の“太陽光×風力”連系、設備利用率28.6%に」という記事がありました。設備利用率28.6%というと凄いなと思ってしまいますが、意味不明なところもあります。
記事を見てみましょう。 まず太陽光発電はパネル出力が11.8MW、パワコン出力が10MW、年間の期待発電量が1100万kWhとなっています。ここだけを見ると設備利用率は約12.6%です。2016年の実際の稼働では設備利用率は14.4%だったらしく、想定以上の発電ができたみたいですね。
これに風力を6.4MW追加設置するそうです。風力の期待設備利用率が22%で、太陽光発電と合わせて全体で設備利用率を28.6%にまで高めるのが今回の話です。
いや、ちょっと待ってよ。14.4%のものと22%のものを連系して得られる設備利用率は、両者の容量で重み付けした加重平均になるはずだから、14.4%と22%の間の値になる筈。どうやって28.6%にできるのだ? 不思議に思いよく読んでみると、両者の出力を制御して10MWにしている。つまり、風力を追加しても連系出力の10MWを変えず、10MWに対する設備利用率が28.6%になるということらしい。
これって、過積載と同じ考え方ですね。
しかし、両者で18.2MWのものを10MWに抑えるためにはピークカットが当然起こるので、発電はロスする筈です。このやり方、どういう利点があるのかなぁ。電力会社との契約の10MWを変えたくなかったということでしょうか。10MWならどっちみち特高になると思いますが、こうした方が設備的に安くつのでしょうかね。風力と太陽光じゃぁ、パワコンを共通にするのは難しいのでは? 記事では「連系枠を無駄なく活かす」とあるけれど、これは電力(送電)会社側の利点。発電者側にはどういう利点があるのかなぁ。
風力と太陽光で経済的な過積載というものがあるのかもしれませんが、ちょっと判りにくい取り組みですね。
コメントを残す