10月に行った太陽光発電の動作チェックに関しての所感を、今回でとりあえず纏めたいと思います。とはいえ、ある程度様子が分かったのは「ソラメンテ」と「ソコデス」についてだけなので、纏めもそれらについてとし、残りについては他の機会にしたいと思います。
<ソラメンテ>
ストリングの良否判定するのにはコンパクトで使いやすい機器だと思う。
集電箱やパワコンから測定ができ、一つのストリングの判定は数秒で終わる。
表示される抵抗値は実際の5-6倍になっていることには注意を要する。
ソラメンテにはSolamente-ZとSolamente-iS(ラインチェッカー)があり、今回使用したSolamente-Zではストリングの良否判定ができるまでで、どのモジュールに問題があるかは判らない。どのモジュールに問題があるかの判定にはSolamente-iSも必要となる。Solamente-iSも35万円ほどかかり、両方そろえるとそこそこのコストがかかる。
<ソコデス>
これもストリングの良否判定するのにはコンパクトで使いやすい機器だと思う。
ソラメンテと同様、集電箱やパワコンから測定ができ、一つのストリングの判定は数秒で終わる。
表示される抵抗値はそのままストリングの抵抗値として解析できる。
ストリングに異常があった場合、ストリング内のどのモジュールが異常かを推定できる。
このように見るとソコデスの方が一度に不良判定から異常モジュール推定までやるので便利なように見えるが、あくまで異常モジュールの推定であり、本当に異常かどうかを確かめければならない。ソコデスで各モジュール個別に異常かどうか判定できるかどうかまで私は知らないが、ソコデス1台でソラメンテのZとiSを合わせた価格より高くなりそう。ただし、ソコデスでは抵抗値は正確に測れる。
まぁ、このようなことを総合的に考えてソラメンテかソコデスかを選ぶのだろう。両方を買う必要はない。
さて、
ソラメンテもソコデスも断線やそれに近い不良の発見を目的としているようだ。おそらくそのようなトラブルが一番多いのだろう。
断線にはバスバーの断線も含まれる。ふつうの太陽電池は3本バスバーを使っているが、このうち1本だけ断線やそれに近い状態になっても、これらの機器で検出できるようだ。ちなみに、3本のうち1本だけ断線するとそのモジュールの電流は3分の1になり、出力も3分の1になる。ストリングの他のモジュールが無事でも、ストリング内ではモジュールが全て直列になっているのでストリング全体の出力も3分の1になってしまい、損失としては大きくなる。
ただし、ふつうのサイトでは多くのストリングを並列にして構成してあり、一つのストリングの出力が3分の1になっても、全体の出力を見ているだけではなかなか異常を発見しにくい。例えば、私のサイトでは全体で36ストリングが並列になっているので、このうち一つだけが3分の1になっても全体への影響は1%以下となり、ほとんど誤差のうちに含まれてしまう。
従って、ストリング毎にこのように検査をすることは有効だろう。
年に1回ぐらいで十分だと思うが。
—– ここまでで今回の動作チェックについての話はひとまず終わることにします。
前回も述べましたように「サーモビュアー」についての話もするつもりですが、意外に「サーモビュアー」についての話は奥が深いので、改めて纏める予定です。
一般的に異常個所が「発熱」し、サーモビュアーでそれを発見するという話は分かりやすいですが、発熱を起こす原因がいろいろあり、太陽電池の動作や構造と複雑に関連しているものがあります。これを説明するのも理解するのもかなり難しいと思いますので、十分準備してから取り組みたいと思います。
それまではしばらく休みます。
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