経産省がFITの太陽光発電買取り価格を2020年代の半ばに現在の半額以下にする方針を発表しました。下のような記事です。
当然のことですが、現在運営している人の買取り価格を下げるのではなく、今後新規に始める人の価格を下げていくという話です。記事に買取り価格を下げていくグラフが載せられていますが、これを見ると、これまでの価格低下とほぼ同じペースで行くと2020年代半ばに現在の半額が達成されるので、特に新しい話という気がしませんでした。
経産省は現在のFIT制度を維持するための国民負担が大きくなっていることに強い問題意識を持っているようです。すでに国民負担が2.4兆円とか。これを2030年で3.1兆円までに抑えたいようですが、ほとんど余裕がないですね。計画通り20年代半ばに産業用を11円、家庭用を8.5円まで下げることができたら、新規分に対してはほとんど負担が無くなり、何とか3.1兆円以内に収まるのでしょう。
今の2.4兆円の負担でも多すぎると言われる中で、3.1兆円になるという話に国民が納得してくれたらよいのですがね。そうでないと既存分(40円、36円、32円あたりの契約)にまで手を付けないといけなくなるのでしょうか。既存分は20年の契約ですから、これを途中で変えるのは契約違反になるので、簡単には行かないでしょう。それに既存分は昔の高い建設コストを負担していますので、運営者にだけ負担がかかり、メーカーや建設業者は儲けたままですね。またFITは発電所運営者だけに補填をしているのではなく、買い取る電力会社に対しても補填していますから、この辺りの話の整理も難しいでしょう。
FITの国民負担増の問題が出てくると、既存分の高い買取り価格も見直さないといけないという議論が出てきますが、それはまず無いと思います。ただ太陽光発電運営者は設けることだけに専念するのではなく、健全な太陽光発電の普及のために努力することは必要ですね。
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