数か月前に、2030年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を22-24%にするという政府目標が発表されました。再生可能エネルギーの内訳を見ますと、太陽光発電は7%となっています。この目標値について、もう少し良く見てみたいと思います。
まずこの割合は電力量で示されていることにご留意ください。
電力量と言うのは設備容量でなく、発電した量のことを言います。太陽光発電は陽が当たっている時だけしか発電しないので、設備容量の割に発電量は少なくなります。逆に言うと、同じ量を発電しようとすると、太陽光発電は他の発電方法に比べて大きな容量を持つ必要があります。
では太陽光発電の2030年目標は設備容量ではどれぐらいの量になるでしょうか。
上の図の右の方に赤字で64GWと書かれています。これはかなり控えめの数値で、100GWとも言われています。どちらが正しいのか良く判りませんが、取りあえず少ない方の64GWとしましょう。これは6400万kWになります。2030年に日本の総発電設備容量がどれぐらいになっているか明確ではありませんが、仮に3億kWとすると(多分それぐらいだと思います)、太陽光発電の6400万kWというのは全体の2割強を占めることになります。
これはかなり大きな値です。天気の良い日には全体の4分の1以上の電力を太陽光発電が占めることになります。気候の良い季節の休日昼間など、電力需要は1億kWあまりしかないと思われるので、そうなると全体の半分ほどの電力を太陽光発電が占めることになります。
これだけ大量の太陽光発電が、雲などの影響で出力が変動しても電源供給が安定して行われるためには、他の電源などでうまく変動を吸収できる仕組みも必要になります。2030年の目標なので15年後と言うことになりますが、大きなインフラを整備していくにはそれほど時間に余裕があるとは思えません。
2030年の目標に対していろいろ議論はありますが、政府の導入目標値、意外に高い値だなという風に思えてきました。
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