太陽電池は一般的に温度が上がると発電効率が落ちると言われています。では、どれぐらい落ちるのでしょうか。これは温度係数と言われる値を用いて推定しています。従って、太陽電池の温度係数を知る必要があるのですが、温度係数は結構ばらつくのでメーカーはあまり公表したがりません。これまで私がいろいろ見てきたところでは、通常のシリコン太陽電池の出力電力の温度係数は0.3 – 0.5 %/℃ぐらいのようです。
例えば電力の温度係数が0.4%/℃とすると、1度上がるごとに0.4%出力が下がることになります。10℃上がれば4%、20℃上がれば8%下がることになります。この程度の温度上昇は簡単に起こるので、太陽電池の出力は温度のために結構下がることになります。
太陽電池の定格はパネル温度25℃に対して定義されています。今の季節はちょうど気温が25度ぐらいですが、太陽光がパネルにあたるとパネル温度は周囲温度より20 – 30℃ぐらい上昇するので、実際には50℃ぐらいになっています。従って出力はパネル定格より1割ぐらい下がります。
真夏には気温は40度近く上がりますので、パネル温度も最高70℃ぐらいになります。従って、出力は定格より20%ぐらい下がります。冬場は気温が数℃とするとパネル温度がちょうど25度ぐらいになりパネルの定格が出そうに思うのですが、実際には冬場は太陽の角度が低いので発電はあまり上がらず、やはり定格を2割ぐらい下回るようです。
結局、太陽電池出力はいつも定格より1-2割下回ることになります。このためパワコンの定格をパネル定格より1-2割小さくしても全体の動作にはほとんど影響しません。もっとも最近ではパネルをパワコンの定格より3割4割、いやもっと大きくする過積載が流行っているようです。これぐらいになると最大発電するとパワコン定格を上回ってしまうのですが、いわゆる低圧連系の場合、パワコン定格を50kW以上にはできないので、頭は多少つぶれても1日の発電量を多くできるこの手法が考えられました。パネル価格がずいぶん下がったので、このような手法が可能になりました。
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