ソーラークリニックのデータを見ていると10年稼働している太陽光発電所があって、そのデータが参考になりそうというところまで紹介しました。そのデータを再掲します。
データについて再度説明しますが、これはその発電所の各月の1日平均発電量の、同じ設置方位・角度での理想的な発電量(これをソーラークリニックでは「パネル面日射量」との比と呼んでいます)に対する比になっています。太陽光発電では理想的な状態に対して、パネル温度の向上やパネルの汚れ、配線などシステムの損失などの影響で、2-3割のロスがあると言われています。このグラフでも理想状態に対する比が0.6から0.8ぐらいになっていて、このあたりは予想通りと言えます。
またこのグラフをみると、周期的な変動があります。これは梅雨による発電量低下や、夏場にパネル温度が上がって効率が下がることなどに因るものです。年によって程度は違っていますが、正常に動作していてもこのような周期変動は見られます。
さて・・・、
このグラフをよく見ると、少し右下がりのように見えないでしょうか。統計的に変化を抽出する方法もあるのでしょうが、ここは直感的に見させてもらって、最初の年の比は平均的に0.75ぐらいありますが、最後の年は0.7を切っているように見えます。つまり10年で約1割劣化している、とすると平均して年に1%ほどの劣化!!!
太陽電池で一般的に聞く劣化の値は0.5%/年ぐらいで、発電量のシミュレーションなどで使われる値も0.5%/年ぐらいではないでしょうか。1%ならその倍になってしまいますが、こんなに劣化するのだろうか?
少し気になって他の発電所をいくつか見てみました。
うーん、10年で1割も劣化していないように見えますね。年0.5%ぐらいの劣化はやはり妥当なところですね。しかしそれ以上に劣化するパネルもあるということになりますか。
この辺りの劣化について気がついたことを次回もう少し述べたいと思います。
コメント有難うございます。ご指摘のように評価は難しすぎるので、結局出力比較ぐらいしかできないでいます。
パネルメーカー、架台角度、周辺環境、いろんなファクターがあって評価が難しいかもしれませんね。
続報楽しみにしています。