昨日の朝日新聞に題記のようなタイトルで途上国無電化地域への太陽光発電ビジネスが取り上げられていました。朝日新聞の紙面では第2面全面で、デジタル版(日本品質を途上国価格で「エネルギーのはしご」見据え)でもかなりの量を割いて報じていました。
この分野を随分やってきた私としては、取りあえずこのように取り上げられたことを歓迎しています。
途上国の未電化地域はいつ電化されるか判らないので、太陽電池のように簡単に電気を生み出せる道具は確かに便利と言えるでしょう。そのように考える人は多くいて、途上国未電化地域への太陽電池利用は20-30年ぐらい前からいろいろ取り組まれてきました。しかし、かつての太陽電池は大変高価でしたので、なかなか普及しませんでした。国際協力資金などを利用して細々と利用するのが関の山でした。私がやってきた仕事もそういう分野でした。
最近になって太陽電池が急激に安くなったことや白色LEDの普及、リチウムイオン電池の普及、携帯電話の充電ニーズの高まりなどの理由で太陽電池の利用が一気に進んだ感があります。LEDや携帯電話への利用には小さな太陽電池でも済むために、低価格で未電化地域の生活向上に役立つソーラーランタンや小型ソーラーホームシステム(SHS)が普及し始めました。
こうなって来ると国際協力資金などを使わないで、民間のビジネスの対象にもなってきました。これからは放っておいても自然に普及していくと思います。それを実感しましたので私は3年ほど前にこの分野からは卒業することにしました。
ところで、この分野に民間ビジネスとして参入していくには何が必要でしょうか? 太陽光関連の技術を持っていることはあまり役に立たないと思います。未電化地域用の太陽光発電機器は随分前からいろいろ試されていて、かなり確立しています。日本はこの分野では遅れているぐらいです。むしろ重要なのは途上国でビジネス開発をするノウハウを持っているかどうかでしょう。
かつて、日本の会社は東南アジアのビジネス開発には努力してきたと思います。今では東南アジアは発展し、日本の会社も随分進出しています。残された途上国市場として注目されているのはアフリカですが、アフリカは東南アジアとは社会環境がちょっと違うような気がします。日本の東南アジアでのノウハウが活きるでしょうか。また、アフリカには欧米の会社がかなり進出してビジネス開発のノウハウを得ています。
アフリカは遠いせいか日本の会社はあまり熱心でなかったという印象を持っています。アフリカを対象とした未電化地域の太陽光ビジネスに日本の会社がどれだけ貢献できるのか、私はちょっと悲観的です。
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