蓄電池(バッテリー)と併用する太陽光発電システムもいろいろ試されているようです。一つの例として、北海道の日高町では系統安定化を狙ったシステムが導入されるようです(北海道日高町に9MWのメガソーラー、Liイオンキャパシターを併設)。
バッテリーを併設した太陽光発電システムは大きく次の3通りに分けられると思います。
①完全独立システム
②昼の太陽光発電を蓄電し、夜の需要時まで使えるようにする
③太陽光発電の急激な出力変動を緩和する
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- ここで導入されるシステムはこの内の③にあたるものです。太陽光発電の短時間の変動を吸収するためのものなので、それほど大きな蓄電池容量はいりません。記事によると9MWの太陽電池に対して3.6MWhのバッテリーが設置されています。単純に言うと太陽電池出力0.4時間分のエネルギーを蓄電し、短時間の変動に対応することになります。
- 北海道電力では系統に余裕がないため、これからの太陽光発電はバッテリー併用で急激な出力変動を緩和したシステムにすることを求めているそうです。この形がうまく行けば、太陽光発電も導入しやすくなるので、期待するところです。
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- バッテリーシステムではバッテリーが高価で寿命も短いため、できるだけその容量を小さくした方がコスト面では有利ですが、系統から見ればできるだけ大きなバッテリーにして系統への負担を少なくするのが望まれます。北海道電力では1分間の出力変動が1%以内に収まることを求めていますが、それに対応して容量を決めているのでしょう。
さて、ここの特徴はLiイオンバッテリーとキャパシターを複合したバッテリーになっている点です。キャパシターの方がバッテリーより急な変動に強いので複合したのでしょう。また、一般的にバッテリーは鉛の方が安いのですが、寿命を考えてLiイオンバッテリーにしたのではと思います。Liは意外に豊富な材料らしく、これからもLiイオンバッテリーの利用は増えてくるだろうと思います。
- システムコストは当然高くなります。記事では太陽電池9MWのシステムで40億円ということですから、バッテリー無しの9MWシステムより2割ほど割高でしょうか。それだと36円/kWh以上の買い取りでないと厳しいように思いますが、そのまでのことはちょっとわかりませんでした。
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