室温が52度になったという訴訟調査の続きです。
これは民事訴訟なので記録の閲覧はできますが、コピーはできません。閲覧しながらメモをとるのは良いのですが、そんなに細かくはメモしませんでしたので、少し不明確なところがあるかもしれませんが、内容について説明していきたいと思います。
この訴訟では原告はかなり細かく温度を記録しています。室温が52度になったというのは原告の2階にある部屋で、そこの5ヵ所に温度計を設置し温度を測ったようです。温度計の概略位置は下図の①から⑤で示されています。北はこの図で下方向やや左向きぐらいになりますが、記録にあった図を再現したつもりです。
パネルからの反射光は季節によって変わりますが、おおむね図の左側(東側)から来ることになります。52度になったというのは図の③の温度計で、東側の出窓に置かれた温度計でした。記録には毎日の温度や52度になった日の時間変化などが示されていました。
これだけでも判ると思いますが、③の温度計は2階の出窓に置かれているので、窓越しに太陽光を直接受けます。一方、反射光は下から来るので直接には当たりません。記録には52度(正確には51.7度のようです)になった時の証拠写真も添付されていましたが、太陽光を浴びながら51.7度を示している温度計が写っていました(残念ながら写真のコピーはできませんでしたが)。
図の配置から見ると②の温度計の方が室温に近い値を示していると思えます。③の温度計が51.7度の時、この温度計は35度でした。また51.7度を示したのは午前10時頃で、その後は温度が下がっていました。つまり、陽が高くなって、直射日光が当たらなくなり温度が下がったのだろうと思います。
これだけのデータを揃えたのは原告の方なので、51.7度がそのまま室温だと思っていないだろうと思いますが、③の温度計が51.7度を示したので怖くなったのでしょう。そのあたりの心理は理解できますが、反射光による室温の上昇はほとんど無いだろうと思います。
被告のJAG国際エナジーもその点を意識し、直射日光の当たらない形で温度上昇を示すデータを示すよう要求しています。残念ながら反射光による温度上昇については実証できないでしょう。
とは言え、パネルからの反射光による被害があることは否定できないと思います。午前中の太陽の低い間には反射光が各家に入り、相当に眩しいことになっていると思います。前回の写真で示しましたが、クレームが出た後JAG国際エナジーは遮光のために植樹や遮光ネットを設置しました。これで十分かどうかは争点になるでしょう。私が見た時は季節が悪かったせいか、植樹がスカスカであまり遮光効果が無いように思えました。もう少し遮光を強化したり損害賠償したりすることを求められるかもしれません。
裁判はまだ進行中で結論が出ていません。
引き続き注目していきたいと思っています。
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