しばらく前に、ため池の水上に太陽光発電を設置した例が報告されていました(ため池の太陽光発電で新方式、パネル1枚にパワコン1台で効率アップ)。水上に太陽電池を設置するというのはそれほど珍しくもありませんが、このシステムはマイクロインバーターを使っている点が面白くて、取り上げてみました。
マイクロインバーターと言うのは小型のパワコンで、パネル1枚ごとに設置されます。通常の太陽光発電は何枚もパネルを直列接続しているため、1枚でも発電が不良になるだけで直列分全部の発電を著しく低下させてしまうことがあります。しかし、1枚ごとにパワコンが設置されていると、影響を不良パネルだけに留めることができます。マイクロインバーターは技術的にはこのような特長を持ちますが、やはりコストアップになることが問題でした。
この記事だけではシステムがコスト的にどうだったかは判りません。公共事業として取り組んでいるようですから、コスト的にはベストでなかったかもしれません。しかし、このような試みが多く出てくればマイクロインバーターの価格も下がるので、同様の試みがもっと出てくることを期待しています。
ところで、このような水上太陽光発電は結構取り組まれていて、専用のフロート架台も開発されています。ここで使われているのはフランスのシエル・テール社のものだそうです。この架台、かなり実績があるようですが、指定通り使わないと下の写真のように事故を起こすこともあるようです(国内最大のメガソーラー、台風でパネル152枚が損傷)。
池だから高波など大したことは無いだろうと思っていましたが、そうでもないようですね。初めに示した写真では周辺部に空のフロートがあるのが判ると思いますが、それが高波があった時にバランスをとるのに必要なようです。事故のシステムでは空のフロートが無く、更に想定以上の波が生じたために事故になったようです。
やはり、メーカーの指示通りに設置することは重要ですね。
コメントを残す