昨日のブログでテスラのパワーウォールは、普通の商用電源を使うより高くつくということを書きました。データとして下図からパワーウォールのコストが1kWhあたり0.23ドルかかるというのがベースです。このデータを作ったのはSolarQuotesというところで、一応、信頼して使っていますが、この組織の信頼性についてはよく知りません。
ただ0.23ドル/kWhかかるのは少し高いなと言う印象もあります。これについて少し検討してみましょう。
バッテリーコストには寿命が大きく影響します。一般的にリチウムイオンバッテリーの寿命は5000サイクルぐらいと言われているようです(リチウムイオン電池の寿命が12倍???)。このサイクルと言うのはバッテリーを満充電から空になるまで放電し、再び満充電にするまでのことを言い、5000サイクルと言うのは、これを5000回繰り返すことができるという意味です。太陽光発電システムでは、だいたい1日に1サイクルぐらいの充放電に相当しますから、5000日ぐらい持つということになります。
これを前提にコストを考えてみましょう。5000サイクルでどれぐらいの電気を使えるかと言うと、パワーウォールの容量が13.5kWhですから、
13.5 × 5,000 = 67,500 kWh
となります。パワーウォールの価格が61.7万円ですから、1kWhあたりのコストは
617,000 ÷ 67,500 = 9.14 円/kWh
となります。あれ? かなり安いなぁ。単純計算ではこうなのですが・・・。
食い違う要素を考えてみましょう。まずサイクル充放電ですが、この計算のように0%から100%で繰り返すと、バッテリーの負担が大きく5000サイクル持たないかも知れません。一般的には10%から90%ぐらいの範囲で使うことが推奨されていますので、その使い方をすると実質的な容量は80%になります。
また、バッテリーは使用中にだんだんバッテリー容量は減少してきます。寿命の最後には70%になるとして、使用中の平均容量は85%ぐらいと考えた方が良いかもしれません。
これらを考え合わせると、もう少しコストアップになり
9.14 ÷ 0.8 ÷ 0.85 = 13.4 円/kWh
これでもまだパワーウォールのコストと一致しないですね。
どうもパワーウォールは低コストではあるものの、少し品質を落として寿命の短いものを使っているのではないでしょうか。寿命が6割の3000サイクルぐらいだとすると、
13.4 ÷ 0.6 = 22.3 円/kWh
やっと、前述の値と一致しますね。
計算合っているのかな? あまり自信ありませんが。まぁ、寿命3000サイクルとしてもそれほど品質が悪くないのでは。
この計算をして感じたのは、まだバッテリーコストは下がるのではないかと言うことです。技術やコストに少し余裕があるようで、市場が広がればもっと下がりそうな気がします。そうなれば、うまく太陽光発電に取り入れられていくでしょうか? 太陽光発電とバッテリーの関係をもう少し考えたいと思います。
コメント有難うございます。
今、ネットアクセスが不便なところにいますので、レスが遅くなってしまいました。
深夜電力を利用するという方法は電力会社のメニューの一つとなって言います。確かに電気代は減りますが、蓄電池の初期投資が大きいので、昼間の電気のヘビーユーザーでないとメリットは出ないのではないかと思います。普通の家庭は昼間の電気需要が少ないのが難点です。
蓄電池と太陽電池を併設する方法は、発電した電気、蓄電した電気の切り分けができないので、今のところ認められないのではないかと思います。売電価格がもっと下がってきたら認められるのではないでしょうか。
初めまして。固定価格買取制度(20年)の売電を始め2年目の関西にて東京電力と契約している者です。
「Tesla PowerWall2」について調べていたところたどり着きました。
夜間電力でPowerWall2へ蓄電して日中使うという使い方の場合、電力会社や契約内容にもよると思いますが電気料金が1/3に圧縮できると思ったのですが、、そういった使い方はできないものでしょうか?
固定価格買取制度で売電しつつ、夜間電力でPowerWall2に蓄電→日中にPowerWall2の電力を使い足らずは買電→ピーク電力低下によって電力会社基本契約ランクが下がる。
こういったシナリオが通れば面白そうですね。