太陽電池は高価な結晶Siから切り出した基板上に作りますので、切しろのロスがコストを上げてしまう一因になってしまいます。これに対し、これまでとは異なった「熔融Siから基板を直接つくる」製造方法で解決するというニュースがありました(熔けた原料から直接つくる太陽電池、効率19.9%)。
基板を熔融Siから直接つくるという試みは随分昔からありました。ちょっと思いだしてもリボン引き上げやスピンコート、ドクターブレード、プラズマ溶射などが挙げられます。しかし、どの試みも良い基板品質を得ることができず、結局、結晶Siに勝ることができませんでした。
今回のニュースを見た時も「結晶Siを上回るのは難しいのではないか」と思いましたが、タイトルを見ると効率19.9%とあります。「本当かな?」とも思いましたが、更にこのセルでパネルを作り、500kWの発電所を作ることになっているようです。信頼できる話かもしれません。
この太陽電池はセル構造には最新のPERC技術を使っているようです。PERCを使った結晶Si太陽電池なら24-25%ぐらいの効率を達成していたと思います。そうすると従来の技術の太陽電池には効率で勝っていても、同じPERCを使ったセルには劣っているようです。やはり結晶Siには勝てないような気もします。
尤も、この技術の本来の目的は製造コストを下げることにある筈ですから、効率で少々負けていてもトータルのコスパで勝てばよいわけです。そのコストについてはこの記事にはあまり詳しく書かれていませんが、この技術を開発した133 Technologiesは結構強気そうです。勝てる自信があるということなのでしょうか。まだ良く判りませんね。
とにかく、注目しておきましょう。
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