太陽光発電協会(JPEA)の主催する太陽光発電シンポジウムの1日目に行ってきました。久しぶりに参加してみると、内容が以前に比べて少し落ち着いてきたような気がします。以前はNEDOや企業の研究開発やエネ庁の計画などを中心とした総花的なところがありましたが、さすがにFITによる市場拡大のせいか、市場の話が中心で技術的な話はほとんどありませんでした。場所も有楽町から浅草橋のHULICホールに変わって、以前より実務的になったような気がします。
このシンポジウムは太陽光発電業界にとっては年に一度のお祭りのような面もあり、どうしても一般的な内容になってしまいます。今日のテーマは次の通りです。
≪セッション1≫ 日本版FIT:安定成長に向けたあるべき姿とは
≪セッション2≫ 100年先を見すえたエネルギーミックスと太陽光発電の役割
≪セッション3≫ 太陽光発電 真の便益と課題
一般的な話の中で少し印象に残ったものを二つ紹介します。
- ●原子力発電の今後
皆さんもご存じのように2030年に向けた政府のエネルギーベストミックス目標が発表されて、そこでは太陽光22-24%、原子力20-22%となっていました。これについてはそのまま紹介されていましたが、原子力については2030年で20-22%を占めていても、その後それを維持するのは非常に困難だと見ていました。これは廃燃料の処理について相当の技術革新が無いと新しい原発の建設はとても難しく、現在の原発の運転延長をしていっても2030年以降は順次停止していかざるを得ないからと言うことでした。化石燃料による代替には限りがあるので、そうなると再生可能エネルギーに頼らざるを得なくなると見ているようです。
- ●化石燃料を全部は使えない
これは海外のNPOが報告したらしいですが、地球の温度上昇を2度以内に収めるためには、現在埋蔵されている化石燃料の内、燃やす量を2割以内にしなければならないようです。この報告を受けて、著名な研究機関も確認の計算してみたそうですが同じような結果になったようです。この結果、オバマ統領も化石燃料の3分の2は使えないと声明を出したそうです。そうすると、原子力も化石燃料も使えない時代が来るわけで、いずれ再生可能エネルギー100%の時代が来るということになります。
今回のシンポジウムは100年先を見据えた太陽光発電の位置づけみたいなところに焦点を当てているので、上記のような話が取り上げられたのでしょう。5年10年にあくせくせずに考えると再生可能エネルギーしかなく、太陽光発電もとても重要なエネルギー源になるというということで、私は自分の目で確認することはできないでしょうが、取りあえず前向きに受け止めることにします。
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