NEDOが太陽光発電の低コスト化技術開発のプロジェクトを実施するそうです(まだまだ高コストな太陽光発電、システム費用低減を目指すプロジェクト)。三洋電機とカネカがこのプロジェクトを受託しました。(余談ですが、三洋電機ってまだあったのですね、ちょっと驚き。)
で、 記事の冒頭に「日本の太陽光発電は欧米と比較して2倍以上高い水準にある」と書いてあります。私も同様の印象を持っています。このためにコスト低減を目指すというのは良いのですけれど、これって技術開発の問題なのでしょうか??? 現状の技術で欧米と2倍以上のコストの差があるというのは日本の技術が遅れているから???
私は日本の太陽光発電の価格に怪しいカラクリがあるからだと思っていました。
3 年ほど前に太陽光の見積もりを取った時、「もっと安くならないと買わないよ」と私が言うと相手は、「大丈夫です、買取価格が下がったので価格も下がります」と簡単に答えられてしまい、あ然とした記憶があります。本当に、太陽光発電の価格はFITの買取価格の低減に合わせて下がっています。その結果、広告を見ていると分譲太陽光発電所の利回りは、買取価格にかかわらずほぼ一定です。21円になった今でも、きっとまだ値下げ余地が残っているのだろうと思いますが、カラクリがどうなっているのかまでは判りません。
私は、このプロジェクトは経産省が数か月前に発表した「太陽光発電競争力強化研究会 報告書」に対応して実施されるのかと思いました。そうだとすると、この価格カラクリに挑戦することになりますが、NEDOのHPでこのプロジェクトを調べると(太陽光発電コストのさらなる削減を目指す研究開発4テーマを新たに採択)、そこまでは書いてありません。
引用した記事の冒頭にあった「日本の太陽光発電が欧米の2倍のコスト」という問題はこの研究開発と直接は関係ありませんね。単なる技術開発です。結局、価格の問題は国際競争で解決していくしかないということでしょうか。
まさにそうですねぇ。経産省の報告書もその点を指摘したものだと思っていましたが、どうもその後の話に繋がっていないようで・・・。しかし、そのカラクリを無視して技術開発を行うというのは、何か技術者が馬鹿にされたような気がします。
いわゆるカモ向け物件の末端価格は欧米の2倍の価格かもしれませんが、発電所を、開発している側は少なくとも資材に関しては欧米とそう大きく変わらない価格で入れているはずです。
それが完成品になると価格が倍以上になる。
そうとは知らずに買う人、それでも良いからと買う人が多いので狂った価格がまかり通るのでしょう。
日本のどの業界にも言えますが、間で何社も経る事で価格が倍になります。
ピンハネを生業としている人がこの国はあまりにも多いため、全てを効率化してしまうと食えなくなる人が大発生しますから、非効率な商取引を急に止めろと言っても無理でしょうね。