最近、フレキシブル太陽電池の技術開発ニュースが2件ありました。少し見てみたいと思います。
まず「洋服に貼れる太陽電池」。理研と東大が開発したようです。フレキシブルだけでなく伸縮も可能なので衣服に貼ることもでき、更に洗濯も可能だとか。ただ、変換効率は従来の薄膜太陽電池の2倍というだけで具体的には判りません。従来の薄膜太陽電池と言ってもピンきりですからねぇ。こういう中途半端な書き方をされると私などは「具体的な値を言いたくなかったのだろう」と思ってしまいました。(追:どうも従来の4.2%が2倍近い7.9%になったようです。)
次に透明で曲がる太陽電池シート。東北大学が開発しています。透明なところがユニークですね。変換効率は0.7%だとか。変換効率が低く思われるかもしれませんが、透明なので、例えば光を90%透過し、残りの10%の光で発電したとすると、7%の効率でも全体で見れば0.7%と言うことになりますから、まぁ、透明太陽電池としては妥当なところでしょうか。
単にフレキシブルと言うだけでは、これまでにいろいろな太陽電池が開発されていますのであまり価値はありません。今回報告されている技術は更に伸縮できるとか透明とかの付加価値を付けて頑張っているのですね。これらの太陽電池は発電能力としては大したことはありませんし信頼性も怪しいですが、特殊な用途には使えるのかもしれません。フレキシブル太陽電池にそれほど価値があるとは思いませんが、いろいろな技術開発を蓄積していけば、そのシナジー効果で思わぬ技術発展につながっていくことも期待できます。
私はまだまだ本流の太陽電池技術開発に期待していますが、こういう傍流の技術開発をたまに見るのもおもしろいと思っています。
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