エコキュートと言うのは安価な深夜電力を利用してお湯を沸かすシステムだと思いますが、これに昼間の太陽光発電の余剰電力も利用しようというシステムが出されました(太陽光の余剰電力で沸き上げ、パナソニックの新型エコキュート)。もちろん、これは太陽光発電の高値余剰電力買取りが終わる2019年問題に対応した商品です。
2019年問題を意識して、バッテリーで余剰電力を蓄えるシステムは各社からいろいろ提案されていると思いますが、お湯でエネルギーを蓄える方式はあまり聞いていませんね。バッテリーで電力を貯める方式では、システムの定価で評価する限り経済性は難しいなと言う印象を持っていますが、お湯で蓄える方式ではどうでしょうね。ちょっと考えてみますか。
まず2019年以降、余剰電力の買取価格はいくらになるでしょうね。7-8円/kWhかな。一方で深夜電力購入価格は10-12円/kWhあたりかな。そうすると、確かに余剰電力を昼間に安く売るより、夜間の高い電気を購入するのを節約するのに使った方が良いことになり、その効果は4円/kWhぐらいということになります。
1ヵ月でどれぐらい余剰電力があるでしょう。400kWh/月ぐらいですか。これを全てお湯に貯められるかどうか判りませんが、ここでは溜められるとすると1か月の節約効果は4 × 400kWh = 1,600円/月 ぐらいになります。
記事によるとこのシステムは高い方で93万円、安い方で67万円。内容は良く判りませんが、取りあえず安い方で上記の節約が可能とすると、投資回収にかかる期間は 670,000 ÷ 1,600 = 419ヵ月 (= 35年) 計算合っているかな? これが正しいとすると、とても経済性はとれないですね。
深夜電力を使っていなかったら、節約効果はもっと高いのですが、それでエコキュートが成り立つのかどうか判りません。ただ、メーカーも経済性が苦しいことを意識しているのか、酸素風呂とかいろいろな付加価値を付けて商品価値を高めようとしているようです。
バッテリーもお湯も経済性だけをみると導入は難しく、安く電気を売る方が良いということになりますが、バッテリーシステムの場合は非常電源としての安心が得られますので導入価値はあると考える人もいるでしょう。お湯はどうでしょうね。もう少し値段を下げるか付加価値を高めた方が良いような・・・。
コメントを残す