蓄電池システムの新製品ニュースが最近多くて、やや食傷気味になるところもあるのですが、今後重要な技術と思ってマメに読むようにしています。シャープからも新しいシステムのニュースがありました(シャープが産業向け蓄電システム、電力需要を抑えて基本料金を削減)。
産業用と言っても高圧受電を意識しているようなので、店舗などで少し電力消費の大きな需要家までが対象となりますね。これなら市場もかなり大きいと思います。太陽光との組み合わせのシステムになっているようですが、私が面白いなと思ったのは、最大需要を抑えることで電力コスト削減を図るというストーリーです。
シャープの産業用蓄電システム
電力料金は使った電気の量に応じて計算されたものに基本料金が加算されます。高圧受電契約では、この基本料金は最大電力消費に応じて決められるらしく、そうすると普段の電力消費を一生懸命抑えていても、一瞬のピークでも大きな電力消費があると大きな基本料金が課せられることになります。このピークを蓄電池で抑えて電気代を抑えようというのが、この記事で紹介されているシステムの目的ですね。
従って、全ての高圧受電契約の需要家がコスト削減可能になる訳ではありません。ピーク需要が大きな需要家だけにメリットがあるシステムです。ピーク需要が大きいかどうかを知るには電気について詳しい人の力が必要ですが、高圧受電契約の需要家なら選任の電気主任技術者などに相談することができるでしょう。大きなモーターやコンプレッサを使っているところなら、対象になるかもしれません。
これまで私は蓄電池導入の経済性について消費電力量だけから考えていましたが、基本料金の削減があれば投資回収が楽になるかもしれません。このシステムは産業向けですが、ひょっとすると家庭用でも2019年問題で蓄電池を導入する家庭は契約アンペア数を減らしてコスト削減できるかもしれません。まぁ、そこまでやるところはかなりマニアックな家庭でしょうね。
コメントを残す