この前のクローズアップ現代「中国再エネが日本を飲み込む」に続いてNHKがまた面白い特集をやりました。パリ協定をテーマにし、日本が温暖化対策の分野で後進国になりつつあることをNHKスペシャルで特集していました(激変する世界ビジネス 脱炭素革命の衝撃)。
パリ協定と言うとトランプ大統領が離脱宣言したことで有名ですが、中身を知っている人は案外少ないのではないでしょうか。「地球の温度上昇を産業革命前から2度以内に(できれば1.5度以内に)抑えよう」というものですが、そう言われても実感が湧きませんね。もう少し具体的に言うと、温度上昇防止のために石油や石炭、天然ガスなどの炭素の燃焼をやめる、2050年までにほとんど脱炭素することを約束するものです。
番組で指摘された問題は、パリ協定以来、多くの国・企業が一斉に脱炭素ビジネスに転向・投資し始めたのに、日本は全く乗り遅れているという事実です。パリ協定に熱心でない日本は取引においても投資においても世界から相手にされなくなり始めているようです。アメリカはトランプがパリ協定から離脱宣言しましたが、個別の会社は脱炭素に熱心で、パリ協定を結んでいる国やその国の企業と盛んに連携しているようです。うまいことやりますね。
NHKが取り上げたこの問題、核心をついていると思います。日本国内でパリ協定の話をしても盛り上がらないですから、これで大丈夫かなと思います。この番組を見て、もっと意識が高まってくることを望みますが・・・。
で、 良い番組だとは思いましたが、少し気がついた点を指摘しておきます。
まず世界の太陽光発電の最低価格は2.6円/kWhを指摘していたこと。これを取り上げるのは非常に良いことだとは思うのですが、2.6円/kWhと言われてもピンとこない人が多いのではと気になりました。できれば他の発電方式とのコスト比較をもっと印象的に、また日本の高い太陽光発電との比較ももっと印象的に取り扱ってもらえたら良かったなと感じました。
またアメリカのように、国は後ろ向きでも企業単位でどんどん脱炭素に取り組んでいけば世界は受け入れてくれることをもっと強調したら、番組がもっと前向きな感じになったのにと思いました。
ところで中国のパンダ太陽光発電所、もうできていたのですね。パンダ発電所の話や完成イメージ図を見たのは今年の話だったと思います。早いですね。しかし、これは景観問題を起こすのか起こさないのか、いや、そんなことより中国の再エネ分野での凄まじい勢いをこの発電所の建設からも感じました。
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