電力需要が夕方にずれていることについて、いつ頃からこのようになったのか調べています。Webを検索していたのですが、なかなか良いデータが見つかりませんでした。今のところ参考になったのは次の二つです。いずれも電事連(電気事業連合会)のデータです。これらのデータから勝手に推理することにします。
まず上に示したのは一年の最大電力需要発生日の需要曲線で1975年から2009年まであります。いずれの曲線もピークは昼間に来ています。このグラフは各年の最大電力需要発生日だけを取り上げたものなので、それ以外の日は判りませんが、取りあえずこの図の中には夕方にピークは全く見られません。さすがに夏の昼間の電力需要が最大の時は、一日の最大になるのでしょうか。
また、2000年を過ぎてからは電力需要が減っているのも興味深い点です。この頃から省エネが進んできたように見えます。
上のデータは、1年間の月ごとの電力需要を過去から示したもので、1967年から2004年まであります。この図を見ると毎年、夏に電力の最大需要が来ています。夏に最大電力需要がある時は、一日の需要のピークが昼間に来ている可能性が高いのでという気がするので、この頃まではピークは昼間だったのではと想像しています。ただ、2004年は2001年に比べて夏の需要が少し減り、冬の需要が少し増えています。この後、だんだん冬の需要が増えて、夕方にピークが来るようになったのではないでしょうか。
これだけのデータでは、最大電力需要の発生は、夏なのか冬なのか、昼なのか夕方なのか、・・・これらをはっきり言うのは難しいですね。ただ印象としては、需要ピークが夕方にずれてきたのは2000年以降のこと、それも2010年くらいからではないかなという思いがします。
とにかく一日の電力需要のピークが夕方にずれているのは確実です。昼間にピークがあるのなら太陽電池はピークカットという付加価値を持つことになるわけですが、残念ですね。
こうなると太陽光発電はピークカットとしてではなく、電源の一つとして競争力を持たなければなりません。そうすると不安定な供給というのは大きな弱点ですから、バッテリーなどを使って安定化させたうえでコスト競争力を持たなければならないでしょう。
太陽光発電はまだまだコストダウンしていかなければいけません。NEDOが目指している2030年の発電コスト7円/kWhというのは必要条件ですね。
最近のコメント