住友商事がアフリカで太陽光普及ビジネスを行っているM-KOPAに出資するようです(住商、未電化地域で太陽光「自家消費ビジネス」)。M-KOPAが行っているのは、下図のようなシステムを携帯電話ネットワークを利用して普及させる商売です。
私も同様の仕事に長年携わってきましたので、この記事にあるM-KOPAもよく知っています。不便なアフリカの未電化地域でも携帯電話は意外に普及していますので、M-KOPAはそれを利用した太陽光普及事業を行っています。詳細は省きますが、なかなかよく考えられたビジネスで、私の記憶では7-8年前から活動していたと思いますが、着実に成果を上げているようです。
日本にいると、途上国の太陽国普及に貢献したいというような話を時々聞きます。それは確かに立派な志ですが、うまくいかないことが多いですね。まず日本の技術がアフリカで通用するかと言うと、それは難しいです。先進国で使う技術と途上国で使う技術とは根本的に考え方が異なります。また、それ以上に、途上国でビジネスを育てるには技術より社会・環境へ対応するノウハウを持つことの方が重要なことなどへの理解が及ばないようです。
彼らは自分の技術を活かそうと思いすぎて、相手に合わせることができないのですかね。例えば、途上国はのんびりしていて、相手に合わせるとなかなか仕事が進みません。じれったいですがそういうことを乗り越えないとビジネスは難しいでしょう。
さすがに住商はその辺りのことをわきまえているのか、M-KOPAに出資するだけでビジネスには深入りしないようですね。途上国太陽光の分野ではM-KOPAは有名なので、そこと連携して、アフリカでのビジネス基盤を強化したいのでしょうか。良く判らないのは三井物産もM-KOPAに出資している点。競合しないのでしょうか? 商社の世界はよく判りませんね。
アフリカでは欧州がビジネスの基盤を作っていますし、中国やインドも盛んに進出しています。日本は完全に出遅れていますが、こういうネタを使ってでも食い込んでいくしかないのでしょうかね。とにかく、検討を祈ります。
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