このセミナーはエコロジーオンライン(www.eco-online.org)という団体が年に一度実施し、今年はまだ2回目のようです。内容は農研機構の自然エネルギー利用の紹介、日本植生㈱の防草発電シートの紹介、環境デザインラボ㈱のすずミストの紹介、最後にソーラーシティ・ジャパンのソーラーシェアリングの紹介でした。
全般的な印象は、農業分野でも自然エネルギーを何とか利用しようとしているものの、まだ方向性を探る段階で、取りあえず情報提供しているという感じでした。
発表の中では、ソーラーシェアリングが一番進んでいるようです。ここでの内容は、一般的に提供されているものとあまり変わりませんが、2015年夏時点で全国約400件の実施例があり、そのうち約半数が千葉県だったそうです。ソーラーシェアリングは面白そうな取り組みですが、農業の成果には時間がかかると思うので、どのような効果が出てくるかはまだ数年は待たなければならないような気がします。
防草発電シートについて私はあまり知らなかったのですが、軽くて取り扱いやすいので工事が容易なところに利点があるようです。撤去も簡単なので一時利用にも使えます。農地への応用においても、取りあえずの防草対策として設置する場合は面倒な農転など必要ないことは利点でしょう。
ただ発電能力はかなり低そうです。発表では普通の太陽電池の3分の1ぐらいと言っていましたが、もう少し低くなってしまうのではと思います。価格は45万―50万円/kWということでしたが、これももう少し安くなってほしいなというのが正直な感想です。
セミナーは全体的に「いろいろなことをやっています」的な報告でしたが、農業への自然エネルギー利用を考えるが増えているようなので、情報交換しながら仲良くやっていきましょうというのが主催者の狙いのようです。
まだのんびり取り組んでいる感じがあります。
FIT導入後、太陽光発電の業界はお金儲けの話ばかりにセカセカ振り回されているような感がある中で、この人たちはFIT導入以前の世界を感じさせる気がしました。
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