来年4月から小売りの電力が自由化されるようで、新しいビジネスが開かれると期待されています。我々も電気を買う会社を選べるようになります。その時、会社の選択に一番影響するのはやはり電気代のようです。
この電気代には発電コスト以外にいろいろなコストがかかりますが、その中で注目されていた託送料が明らかになりました(電力会社10社の託送料金、最も割安は関西、割高は東北)。託送料は送電・配電にかける料金で、おおざっぱに言えば発電コストに託送料を加えれば電気代になります。発表された託送料は下表の通りです。
これを見て託送料は結構高いなぁと感じた人は多いだろうと思います。
例えば、現状では太陽光発電のコストは20円ほどかかるので、これに低圧の(小売りは低圧での託送になる)託送料を加えると現在の電気代より高くなってしまいます。これだと太陽光発電では商売になりませんね。他の発電方法での商売も簡単ではないような気もします。確かに送配電は電力の需給を調整し、保守・保安にコストがかかるのは判りますが、ちょっと高いんじゃないのかなぁ・・・。
記事を見れば判るように、送配電は電力10社が行うことになっています。託送には送配電設備が必要ですが、電力が持っているネットワークに対抗できるような送配電設備を持っている会社なんかありませんからね。
で、託送料は電力10社が算出して、それを国が審査し適切と見なしたら認可するシステムのようです。送配電は電力会社が独占し、これまで電気代を決めていたのと同じような方法で託送料を決めていると考えたらよいでしょう。発電事業は今後競争が厳しくなっていくので、送配電事業は何とか守っていこうとしているのでしょう。
とはいえ、託送料は一応認可方式なので今後も引き続き見直していくようですが、取りあえずはこれで電力自由化の土俵が決まったことになります。太陽光発電は更なるコストダウンしなければ電力市場で戦えません。もっとも日本の太陽光発電はちょっと割高なような気もします。環境が違うとは言え、アメリカでの太陽光発電は10円/kWh以下になっているのですから(アメリカでは太陽光発電が4セント/kWh以下になったのか)。それぐらいのコストになれば、今の託送料でも可能な太陽光発電ビジネスが出てくるでしょう。
太陽光発電コストも託送料も、今後もっと下がるはずです。それにより新しい電力市場が開かれてくるだろうと期待していますが、さて、何年かかるのか・・・。
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