オムロンが家庭用蓄電池システムに新しい機種を追加したそうです(オムロンが家庭用蓄電池に2機種を追加、容量12.7/6.3kWhが選択可能に)。蓄電池の普及は太陽光発電の有効利用にもつながりますので、このような商品が増えてくることは歓迎です。しかし、このシステム、12.7kWhで439万円、6.3kWhで266kWhとは随分高いような気がします。蓄電池システムの経済性はどのように考えればよいのでしょうかね。私なりに考えてみました。
まず、蓄電池はそれ自体では発電しません。既に発電された電気を充放電するだけなので、元の電気代に更に蓄電池を通過する分、追加でコストがかかることになります。従って、蓄電池が寿命になるまで、できるだけ多くの電気を充放電する方が一回当たりの充放電コストは低くなり、経済性は良くなります。
では、蓄電池は寿命になるまでどれぐらい充放電できるのでしょうか。例えば、毎日昼間に充電して夜に放電するとすると1年間で365サイクル充放電することになりますが、毎日フルに充放電するのは難しいのではと思います。せいぜい1年間で200サイクルぐらいが良いところではないでしょうか。
寿命はどうでしょうね。ちょっとネットで調べると10-15年ぐらいとなっていました。ここは贔屓目に見て15年としましょう。そうすると1年で200サイクルですから、15年では3000サイクルぐらいの充放電が可能ということになります。
さて、オムロンが新発売した蓄電池システムは記事によると容量12.7kWhで439万円です。これが3000サイクルで寿命になるとすると1サイクルあたり
439万円 ÷ 3000 = 1463円
になります。1サイクルの充放電は12.7kWhですから(本当は容量全部を利用できないのもう少し少なくなる)、充放電した電気1kWhあたり
1463円 ÷ 12.7 = 115円
のコストアップということになります。これで計算合っているかな。
しかし、とんでもなく高いですね。元の電気代は20円/kWhほどですから、蓄電池を経由すると135円/kWhぐらいになってしまうという計算です。経済性だけを考えるなら、この10分の1ぐらいになって欲しいという気がします。もっとも日本の蓄電池はバカ高いのでこんな値になってしまうのですが、その数分の一のコストのテスラーの蓄電池を買っても、やはり経済性をとるのは苦しいのではないかと思います。
蓄電池の導入は、経済性ではなく、災害対策などのセキュリティー用に考えた方が良さそうですね。
ブログランキングに参加しています。皆様の応援を頂けたら励みになります。是非、ボタンを押して応援してください。
にほんブログ村
太陽光発電ランキング
コメントを残す