何日か前に日本の会社が行っているアフリカでのエナジーキオスク事業についての記事を見ました(タンザニアに電力の「キオスク」 独自の電力制御で世界に挑むベンチャー企業「デジタルグリッド」)。
こういう途上国での事業というのは日本人にはあまり馴染みがないので、記事を見てそのまま「いい話だな」と思ってしまうかもしれません。確かにそういう面もありますが、途上国プロジェクトというのは簡単にきれいごとの話を作ることができるので注意する必要があります。ここで紹介されている「エナジーキオスク」については、別の面から私も知る機会があったので、複雑な思いで見ています。良い機会ですのでこの話をもとに、アフリカなどの途上国プロジェクトについて少し検討したいと思います。長くなると思いますので何回かに分けて書いていきます。
まずエナジーキオスク事業について簡単な説明をします。
アフリカのような電化率の低い国でも最近では携帯電話やLEDランタンなどの充電式の電化製品が多く使われるようになってきました。これらの充電にはそれほど電気を必要としないので、太陽電池システムでも十分に行えます。このため簡単な太陽電池システム(他の発電方式の時もありますが)を無電化地域に持ち込んで、有料で充電サービスを行うという事業が考えられました。携帯電話の充電ならばパネル1枚でも数十台の充電ができるので、掘立小屋と簡単な設備で事業が可能です。しかも最近はパネル価格が下がったので、利益の見込める事業が成り立つようになってきました。
紹介した記事を読むと、ある日本の会社がエナジーキオスク事業をタンザニアで始め、今はケニアにまで広げているようです。
実は私は数年前にケニアに業務で滞在していました。エナジーキオスク事業はその頃からケニアで既にありました。エナジーキオスクでなくても太陽電池や発電機を使った充電サービスは地方のいたるところで見られたので、別にこの記事に新鮮味は感じず、ただ、確かに事業は可能だろうが、成功するには太陽電池の技術などよりもアフリカの中でうまくビジネスを展開するノウハウを持っていることが必須だろうと思いました。
記事ではあまりそういうことには触れずに、あたかも新しくエナジーキオスク事業を思いついたように書いてあるのが不満です。しかしそんなことより、エナジーキオスク事業についてはもっとややこしい俗っぽい話が絡んでいます。次回からそれについて触れたいと思います。
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