発電パターンの話でNEDOの日射量データベースの話が出てきましたので、これについてもう少し考えてみたいと思います。
この前のブログでは年間の発電パターンがフラットになる発電所の比較のために、近くの日射量をNEDOの日射量データベースで調べました。すると、そのデータベースでも20度、30度の傾斜面に対しては日射量がかなりフラットになっていました。しかし、その地域では例に挙げたほどフラットな発電パターンを示す発電所は他になかったので、データベースの値に少し違和感が残りました。
そこで、私の住む所沢についても調べてみました。データベースでの傾斜度0度、20度、30度の日射量が下のグラフです。
これに対して、発電量の実績(実線)、メーカーの予想値(破線)が下図です。パネルの傾斜角は5寸(26.6度)です。
やはり所沢でもデータベースでは傾斜面日射量がほとんどフラットなのに対し、実際の発電はもっと山形になっています。データベースと実際は一致しないことの方が多いと見た方が良いようです。
一方、メーカーの予想値はNEDOのデータベースに近い形になっています。恐らくNEDOのデータベースを使っているのでしょう。
NEDOの計算方法は詳しく知りませんが、水平面日射量の実測値(長期の平均値?)に対して、傾斜面日射量は計算で求めていると思います。データベースと実際が違っているのは、この計算方法がまだ十分には洗練されていないからではないか、という気がします。
直達光を多く見過ぎているのでしょうか。夏場は太陽が高くなるので、直達光の傾斜面への入射量は少なくなります。直達光を多く見過ぎると夏場の入射量は減ることになります。日本は散乱光が多いと言われています。散乱光の量はあまり傾斜角の影響を受けないですね。もっとも、NEDOのデータベースは多くの研究をベースに作られているので、迂闊なことは言えませんが。
多くのメーカーの発電量予測値はNEDOのデータベースを使って行われていると思います。そして、ほとんどの発電所ではメーカーの予測値よりも多く発電しているようです。これはメーカーの予測値が安全サイドに行われていることもあるでしょうが、傾斜面への日射量が少なく見積もられている可能性もあると思います。
メーカーの予測値より多く発電するので(例外もありますが)、誤差があってもあまり問題にならないのでしょうか。
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