経営危機のシャープ、太陽電池はどうなるのかハラハラして見ていますが、来年度にも「新型太陽電池を堺工場で生産」するという発表があったようです。それは良い話なのですが、あれ、これって「ヘテロ接合」「バックコンタクト」の組み合わせ、つまりシャープがNEDOの補助で行うプロジェクト(シャープの逆転打となるか、NEDOプロジェクト)と同じではないか?
記事にも書かれていますが、「ヘテロ接合」も「バックコンタクト」も既存の技術で、それらを組み合わせても特に新規性は無いわけです。NEDOプロジェクトでは「量産技術」を開発することに新規性があり、研究テーマとして取り上げられたものだと思っていました。しかし、来年度にも量産って、それならNEDOで何を開発することになるのか疑問を持ってしまいます。
もっとも、私のブログの方で書きましたが、NEDOなどの国の研究開発プロジェクトでは、「お金を出すのだからそれに見合った成果を出すのが当然」のように要求されるところがあって、ある程度成功のめどが立ったテーマを申請することが良く行われています。シャープのNEDOプロジェクトもそんなところだろうとは思っていましたが、それにしてもよくこんな見え見えのことをするなぁ・・・。
経営危機でリストラ真っ最中のシャープ、研究部門などは真っ先にリストラの対象になりそうで組織防衛が大変だということは想像できます。そういう時に、国家研究を行っていることは組織防衛するのに良い理由になるとともに、人件費や経費が補助により軽減されるので、極めて有効な方法です。そのことは十分理解できますが、「ヘテロ接合」も「バックコンタクト」もシャープの技術ではありませんし、研究テーマが単に「量産技術」というのは貧弱だなぁと思っていました。それが、来年度から量産するということになると、研究テーマ自体が存在しているのかどうか、判りにくい状況ですね。
多分、既存の量産技術にプラスアルファーのような量産技術の開発をすることが研究テーマなのだろうと想像していますが・・・。
この際、なりふり構わずということでしょうか。
それぐらい開き直るのも良いかもしれません。
とにかく、来年度からの量産もNEDOプロジェクトもうまく行くことを願っています。
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