SAYURI-PVというのはSustainable Actions for “Year by year aging” Under Reliablity Investigations in PhotoVoltaic modules の略だそうです。産総研が行ったシンポジウムで、パネルの長期信頼性に関する報告です。10月4日、5日に行われましたが、私は都合で4日だけに参加しました。参加は無料ですが、予稿集は無くプログラムだけが資料として配られていました。5日にパネル信頼性に関する具体的な事例があったようで、そちらが興味あったのですが、4日に参加した感想を書きます。
まず、このシンポジウムは学究的な色彩が強かったと思います。5日の事例の報告を聞いていればもう少し印象が違っていたかもしれませんが、私が聞いていた範囲ではパネルの劣化メカニズムや評価方法などの評価・解析の報告が中心で、研究を行っている人には面白くても、単なる太陽電池のユーザーや発電所の運営者には少し縁遠い内容だったかなと思います。
さて、報告は長期の信頼性を対象にしているせいか、最近のモジュールに見られるスネイルトレイル(スネイルトラックと言っていた)についての言及はあまりありませんでした。スネイルトレイルは最近の安物モジュールだけに見られる現象なのか、どのような悪影響があるのか、もう少し様子を見ないと判らないのでしょう。いずれこのような報告会にももっと出てくるのを期待します。
全般的に、PIDに関する報告が意外に多かったように思います。PIDについては原因や対策が判ったのかと思っていましたが、まだ検討の余地があるようです。内容は細かい分析になっていて良く判りませんでした、すみません。
少し変わったところではモジュールに部分影が当たった時の影響についての報告がありました。部分影で生じたホットスポットがモジュールにどれぐらい悪影響を起こすか、というような内容でした。結果として5-7%も劣化を引き起こしていました。詳細の実験条件が良く判らなかったので何とも言えませんが、そんなに悪影響があるのかなという気もします。まぁ、パネルに影が当たるのはできるだけ避けた方が良いでしょう。
ところで、この会議は国際会議だったので発表が英語だったことも、普通の人は参加を躊躇させたかもしれません。ただ、最近の研究者は随分と英語がうまくなったと思っていましたが、この会議ではそうでもない人も多かったようです。普通、日本人の英語は日本人には聞きやすいのですが、日本人が聞いても理解できなくなるほど間違ったり詰まったりしている人も散見しました。ちょっとさみしい話ですね。
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